中国の人権派弁護士「法治が後退」と危機感
中国で人権派の弁護士らが一斉拘束された事件から6年となるのを機に、当事者らが参加した討論会がオンラインで行われました。参加者のひとりは「中国社会の法治は全面的に後退している」と危機感を示しています。
中国では2015年7月9日、人権派の弁護士や活動家らが当局に一斉に拘束される事件が起きました。
事件から6年となる9日、アメリカなどの人権団体がオンラインの討論会を開催。この事件で拘束され懲役4年6か月の実刑判決を受け、去年出所した王全璋さんらがメッセージを寄せました。
王さんは、「人権に反する当局の手法はなくなるどころかむしろ広く乱用され、政治的な人物に対して行っていた手法が一般人や企業の経営者にまで使われるようになった」と述べ、人権状況が悪化していると強調しました。「社会の法治は全面的に後退している」と危機感を示しています。
また、王さんはNNNの取材に対して、中国の警察から「このイベントに参加するな」と警告を受けたと話し、いまも監視が続いていることを明らかにしています。
中国では習近平指導部による言論統制が強まっていて、国際社会からは人権状況への懸念を示す声も上がっています。
※写真は人権派弁護士の王全璋氏