クーデターから半年“医療崩壊”医師が語る
ミャンマーの軍事クーデターから半年が経ち、軍の統治が強化される一方、新型コロナウイルスの感染が深刻化しています。軍への抵抗を続ける現地の医師が、苦しい胸の内を明かしました。
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クーデターで全権を掌握したミャンマー軍は1日、国民に向け、再来年8月までに総選挙を行うと明言しました。
ミャンマー軍総司令官 ミン・アウン・フライン氏
「私は複数政党による総選挙を必ず実施することを誓う」
クーデターから半年の節目に、民主的な手続きをアピールした形ですが、一方で、総司令官を首相とする「暫定政府」の発足も宣言しました。軍主導の体制作りを着々と進めています。
こうした中、ミャンマーでは新型コロナウイルスの感染が深刻化しています。累計の感染者数は30万人あまりですが、実際の数は当局の発表よりさらに多いとみられています。
現地の医師が語ったのは、ミャンマーの“医療崩壊”の実態です。
ミャンマー人医師(50代)
「新型コロナウイルス患者は低酸素状態で、酸素を求めているが、手に入れることができない。病院は患者を受け入れられず、家に帰している」
そこにも、クーデターの影響がありました。軍に抗議の意思を示す「不服従運動」で、多くの医師らが職場を放棄しているのです。
取材した医師も「不服従運動」を続けていて、苦しい胸の内を明かしました。
ミャンマー人医師(50代)
「一言で言うなら『胸が痛い』。しかし、もし私が病院にいたとしても設備も薬も何もないので、患者を助けることはできない」
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クーデターがもたらした社会の混乱。市民らは苦しい状況の中、軍への必死の抵抗を続けてます。