EU上級代表「タリバンと協議しなければ」
イスラム主義勢力タリバンは17日、アフガニスタン制圧後初めて記者会見を開きました。アメリカ政府がアフガンから避難する人々の移送を続ける一方、EUの上級代表は「タリバンと協議しなければならない」と述べました。
タリバンの会見「女性は社会の鍵であり、仕事や他の活動でも、女性にはすべての権利が与えられる」
会見でタリバンの報道官は、「20年前と今では、私たちがとるべき行動には違いがある」と述べ、仕事や教育などの女性の権利を認めると強調しました。
ただ、あくまで「イスラム法の枠内」と繰り返し、詳しくは言及しませんでした。また、国際社会とも良好な関係を築きたいとしましたが、具体的な政権運営の方針は見えていません。
一方、アメリカのサリバン大統領補佐官はアメリカ国民などのアフガン国外への避難を進めるなかで、タリバン側と接触し、カブールの空港までの安全が保証されていると明らかにしました。
ロイター通信によりますと、15日にはおよそ600人以上のアフガンの市民などがアメリカ軍の輸送機にのり、カブールから脱出したということです。ただ、カブールの空港では避難を求める市民らが離陸するアメリカ軍の機体にしがみつき、落下して死亡するなどの問題も起きています。
また、EU=ヨーロッパ連合は17日、緊急の外相会合を開き、アフガニスタン情勢を協議しました。EUで外交を担当するボレル上級代表は記者会見で「タリバンは戦争に勝った。だから、我々は彼らと協議しなければならない」と述べました。その上で、「タリバンを承認するとは言っていない。女性たちを守るため、あらゆることを協議する」と強調しました。
さらに、EUとしても、EUの市民やEUに協力してきたおよそ400人のアフガン市民や関係者を国外に避難させる考えを示しました。