北朝鮮の寧辺にある原子炉施設が再稼働した兆候があるとの報告書を、ＩＡＥＡ（＝国際原子力機関）がまとめていたことがわかりました。

今月２７日にＩＡＥＡがまとめた報告書によりますと、「寧辺の小型原子炉で冷却水が排出されるなど原子炉の稼働と一致する兆候が発生した」ということです。

最新の衛星写真の分析によって確認されたもので、シンガポールでの米朝首脳会談後の２０１８年１２月から先月までは稼働の兆候はなかったとしています。

ＩＡＥＡは今年３月にも、同じ原子炉から取り出した核燃料からプルトニウムを取り出すための再処理作業が再開された可能性を示していましたが、今回の報告書では、再処理に必要な期間がこれまでの北朝鮮のプルトニウム製造のプロセスと一致していると指摘。北朝鮮の核関連の活動は「重大な懸念だ」としています。

また、ウラン濃縮関連施設があるとみられるカンソンでも、建設作業などの動きが捉えられているということです。今のところ北朝鮮側は核施設の再稼働について直接言及していませんが、北朝鮮外務省は２８日の声明で「最強の戦争抑止力を絶え間なく備蓄していく」と核・ミサイル開発を進める姿勢を改めて強調し、アメリカや韓国を牽制しています。

一方、韓国統一省の報道官は３０日、「我が政府は北朝鮮の核・ミサイル活動を持続的に監視中だ」と述べるにとどめ、具体的な言及を避けています。