タイ首相にセター氏を選出 総選挙で勝利の政党は排除の形に
タイでは総選挙から3か月以上たっても首相が決まらない状態が続いていましたが、22日、タイ貢献党のセター氏が新しい首相に選出されました。これにより新たな政権では、王室改革を掲げて総選挙で勝利した野党は排除される形になりました。
タイでは22日、新しい首相を指名する投票が行われ、ことし5月の総選挙で第2党となったタイ貢献党のセター氏が、上下両院の過半数に支持され新しい首相に選ばれました。
王室改革や軍の影響力の排除を掲げて総選挙で勝利した前進党は、貢献党などと連立政権を目指しましたが、軍の影響を受ける議員の反発もあり、実現しませんでした。
新たに政権づくりの主導権を握った貢献党は、首相を選出することを優先し、対立関係にあった軍に近い政党などと一緒に連立政権をつくることに踏み切りました。
民意が支持した政党が外された上、軍の影響力が残ったままの政権がつくられることになり、今後の政権運営がうまくいくのか不透明なままです。
■写真:タイ貢献党のセター氏 (ロイター/アフロ)