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“元徴用工”訴訟 弁護士が岸田首相へ提案

2021年10月7日 13:15

韓国のいわゆる元徴用工の関連訴訟を担当する弁護士が韓国紙に寄稿し、岸田首相への提案として元徴用工らが日本企業と直接、協議する場を設けるよう求めました。協議の期間中は、日本企業の資産の現金化に向けた手続きを停止するとしています。

元徴用工をめぐる関連訴訟の代理人の1人、林宰成(イム・ジェソン)弁護士は、7日付の革新系の韓国紙「ハンギョレ新聞」に「岸田新首相への提案」として寄稿しました。

林氏は提案の中で、元徴用工らと日本企業が直接会って、最低3回以上の協議を行うことを求めました。その代わりに協議が行われている期間は、日本企業の資産の現金化に向けた手続きや、さらなる資産の差し押さえを停止するとしています。日本政府と韓国政府に対しては、この協議の場を保証し、オブザーバーとして参加することを要求しています。

この提案については「代理人の1人である私の個人的な意見」と前置きした上で、前向きな議論が可能であれば、原告や支援団体と積極的に話し合うと述べています。

ただ、現金化については、原告の権利で適法な手続きだとした上で、「今や具体的な現金化は目前に迫っている」と主張。特に先月、韓国の裁判所が初めて売却命令を出した三菱重工業の韓国国内の資産については、三菱側が即時抗告や再抗告で時間を稼いでも、資産の競売手続きの開始に「6か月もかからない」として、岸田首相に対して日韓関係の「新たな局面を切り開いて欲しい」と求めました。

日本政府は、一連の司法手続きは国際法違反だとして、韓国側に対し、日本側が受け入れ可能な解決策を早期に示すよう求めています。

画像:7日付「ハンギョレ新聞」