G20“温室ガスゼロ”今世紀半ば頃で採択
イタリアのローマで開かれたG20(=20か国と地域)の首脳らによる会議は、温室効果ガス排出「実質ゼロ」の年限を「今世紀半ば頃」とすることなどを盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕しました。
議長国イタリア ドラギ首相「気候変動との闘いは、私たちの時代の決定的な課題です。悲惨な結果を避けるためには、早急に大幅な排出量削減を実施しなければなりません」
気候変動対策をめぐって、G20は、大量の温室効果ガスを排出する石炭火力発電所に対する国際的な公的融資を年内に終えることで合意しました。
一方、最大の焦点だった温室効果ガス排出「実質ゼロ」の年限については、「今世紀半ば頃」と書き込まれました。アメリカやイギリスなどは2050年と明記したい考えでしたが、世界最大の排出国である中国に加え、ロシアが自国の目標である2060年から譲らなかったため、妥協した形です。
多くの首脳は、この後、気候変動対策を話し合う国連の会議(=COP26)に移動し、議論を続けます。
今回の会議では、一定の成果を上げつつも、各国経済に直結する問題をめぐりG20として足並みをそろえる難しさも改めて浮き彫りになった形です。