中露首脳、あす会談へ ガザ地区情勢もテーマか?プーチン大統領の思惑は
中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議にあわせ、中国を訪れているロシアのプーチン大統領は18日、習近平国家主席と会談する予定です。
ウクライナ侵攻をめぐり、国際刑事裁判所から逮捕状も出ているプーチン大統領を迎えるとあって、北京市内は厳戒態勢です。警備にあたる軍の関係者や警察などの姿が確認できました。
プーチン大統領は17日午前、北京の空港に到着しました。18日の会談では、ウクライナ情勢のほか、パレスチナ自治区ガザ地区の情勢も大きなテーマになるとみられます。それというのも、中国とロシアはイスラム組織ハマスを直接批判しないなど、この問題で足並みを揃えています。
両首脳としては、イスラエルを支持するアメリカとは一線を画し、この問題でも欧米との対抗軸を作ろうという思惑がありそうです。
――中東の混乱はロシア、中国にとってプラスの材料となるのか?
まずプーチン大統領にとっては、西側諸国と“断絶状態”の中、国際的な舞台に返り咲くチャンスだとみている可能性があります。
プーチン大統領は、中国を訪問する直前もイスラエルやイランなどガザ情勢に関わる国々の首脳と精力的に電話会談をしました。この中では、「民間人を犠牲にするいかなる行動にも強い拒否と非難を表明する」など、世界の目がウクライナ侵攻からガザ紛争へと移ったとみて、いきなり平和の使者のごとく猛アピールをはじめています。
また、中国側ですが、18日の一帯一路の会議では習主席に続いて、プーチン大統領に基調講演を行う役割を用意したといいます。
プーチン大統領の国際舞台復帰のお膳立てをすることで、中露を中心とした欧米との対抗陣営をさらに強化する狙いがありそうです。