台湾前総統・馬英九氏、訪中へ 中国当局「歓迎し必要な協力をする」
台湾の野党・国民党で前総統の馬英九氏が、今月27日からの日程で、中国を訪問する予定であることがわかりました。総統経験者が中国を訪れるのは初めてです。
馬英九前総統の事務所によりますと、日程は、今月27日から来月7日までで、30人ほどの学生らとともに、南京、武漢、上海などの都市を訪れ、辛亥革命や日中戦争に関する遺跡を訪れるほか、中国の学生らとも交流するとしています。
習近平国家主席との会談の予定はないとしていますが、中国当局は、「訪問を歓迎し、必要な協力をする」との声明を出しています。
中台関係を巡っては、先月、野党・国民党副主席が中国を訪問した際、中国側は党序列4位の王滬寧氏が会談に臨むなど、手厚くもてなし、その後、中国政府が禁止していた台湾産の一部食品の輸入再開を発表しました。
来年1月に予定されている台湾の総統選挙を控え、中国政府は中国に融和的な姿勢の国民党による“成果”を強調することで民進党の蔡英文政権を揺さぶる狙いがあるとみられます。
今回の馬英九前総統の中国訪問も来年の総統選を見据えた動きとみられます。