ロシア軍…援軍派遣の兆候~米国防総省が分析 ロシア軍高官は侵攻正当化する“命令書”公開
ウクライナへの軍事侵攻から1か月。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、アメリカ国防総省の高官は25日、ロシア軍がジョージアに駐留する部隊から援軍を送る兆候があるとの分析を明らかにしました。
国防総省高官は、ロシア軍がジョージアに駐留する部隊から援軍を送る兆候が、初めて確認されたとしています。ロシアの侵攻開始から1か月が過ぎる中、ウクライナに投入されれば、初の本格的な追加部隊の配備となります。
また高官は、ロシア軍が制圧した南部の町ヘルソンでウクライナ軍が激しく反撃し、ロシア軍がヘルソンを完全には掌握できなくなっている、との分析も示しています。
一方、ロシア軍の激しい攻撃を受ける南東部マリウポリの地元当局は25日、16日に空爆された劇場での死者がおよそ300人にのぼるとの見方を示しました。
マリウポリは、親ロシア派が支配するウクライナ東部と2014年にロシアが併合したクリミア半島の間に位置する戦略的要衝で、ロシア軍は攻略を目指し包囲網を狭めています。
ウクライナ軍は25日、ロシア軍によってクリミア半島と東部の支配地域を結ぶ一部の陸上ルートが攻略されたと発表していて、マリウポリが陥落する恐れが高まっています。
一方、ロシア国防省は25日、ウクライナへの軍事侵攻後初めて、外国メディアの参加を認めた記者会見を開き、これまでにロシア軍兵士1351人が死亡したと発表しました。
ロシアが戦死者の数を公表するのは今月2日以来2度目ですが、NATO(=北大西洋条約機構)やウクライナは、ロシア軍の死者は1万5000人にのぼるとみています。
ロシア・コナシェンコフ少将「これは秘密の命令書だ、この書類の中にある。ウクライナ側の司令官による1月22日付の命令だ」
会見では、この書類をウクライナが親ロシア派が支配する地域を攻撃する準備を進めていたとする「命令書」だとして公開し、軍事侵攻はこれを防ぐためだったなどと主張、ウクライナへの侵攻を正当化しました。