ソウル梨泰院事故 犠牲者158人 ネットメディアが名簿公表“哀悼の対象が抽象化”波紋広がる
158人が犠牲になった韓国・ソウルの繁華街・梨泰院での転倒事故で、犠牲者の名前の公表をめぐり波紋が広がっています。
梨泰院の転倒事故では15日までに158人が死亡していますが、政府や警察からは被害者の名前は一切公表されていません。
こうした中、韓国のインターネットメディアが14日、犠牲者のうち155人の名前を公表しました。このメディアは「ただ“158”という数字だけ存在することは、哀悼の対象が抽象化される」と主張。「犠牲者が実際に存在したことを感じられるよう、名前だけでも公開することが真の哀悼と責任究明に寄与する道だ」と説明しています。
大手の韓国メディアは、名簿の公開に反対する遺族や弁護士団体の意見をもとに、批判的に報じています。
また、与党所属のソウル市議は15日、「遺族に精神的苦痛を与える明白な2次加害」だとして名簿を公表したメディアを個人情報保護法違反の容疑で警察に刑事告発しました。
名簿を公開したメディアは、15日までに遺族が公表を望まない考えを伝えてきた10人については、名前を削除しています。
この問題をめぐっては与野党でも様々な意見が出るなど、犠牲者の公表の是非をめぐり波紋が広がっています。