「バイデン政権による、ひどい選挙妨害」 トランプ前米大統領、3回目の起訴
アメリカのトランプ前大統領が1日、2020年の大統領選挙の結果を不正に覆そうとしたとして起訴されました。トランプ氏にとって3回目の起訴となります。ワシントンから中継です。
民主主義の根幹である選挙結果を覆す試み、その責任を問われる今回の起訴は、トランプ氏にとってこれまで以上に重い意味を持ちます。
起訴状によりますと、トランプ前大統領は前回の大統領選挙での敗北を覆そうと、議会の認定手続きを妨害した罪など、4つの罪に問われています。起訴状では「陰謀の目的は選挙結果の集計と承認をする政府の役割を妨害し、大統領選の正当な結果を覆すことだった」などと指摘しています。
一方、2021年1月の議事堂占拠事件については、事件を扇動した罪には問われていないものの、議員らに選挙の認定手続きを延期するよう説得して回るなど「議事堂での暴力と混乱を利用しようとした」と指摘しています。
スミス特別検察官「議事堂占拠事件はアメリカの民主主義の中枢に対する、前代未聞の攻撃だ」
そして、来年の大統領選への影響ですが、起訴直前の世論調査でもトランプ氏は野党・共和党内で2位を30ポイント以上引き離す独走状態です。今回の起訴後も支持者向けのメールで「バイデン政権による、ひどい選挙妨害だ」などと支持固めを図っていて、党内の候補者争いでの優位は揺るがないとの見方が大勢です。
ただ、アメリカメディアが「これまでの、どの事件より、はるかに深刻で、歴史的に重大だ」と指摘する中、大統領選本選での勝利に不可欠な無党派層からの支持は、さらに失われる可能性があります。