ウクライナ東部 ロシア軍による新たな攻撃か
ロシア軍に包囲されたウクライナ南東部のマリウポリでは、ウクライナ軍による根強い抵抗が続く一方、東部ではロシア軍による新たな攻撃が始まったとみられます。
ウクライナの治安組織「アゾフ連隊」が18日に公開した映像では、ウクライナ側が、マリウポリでロシア軍に抵抗しているとされる様子が確認できます。
ロシア側は「抵抗を続ければ全員殺害する」と警告していますが、ウクライナ国防省の報道官は「状況は極めて困難だが、ロシア軍による完全制圧には至っていない」としています。
マリウポリ市議会は、ロシア軍が包囲するアゾフスタリ製鉄所の地下シェルターに1000人以上の女性や子ども、高齢者らが避難しているとしています。
一方、ロイター通信などによりますと、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日に公開した声明で、ロシア軍が東部・ドンバス地方への新たな攻撃を始めたと述べました。東部・ドネツク州の知事は砲撃で4人が死亡したと発表しています。
アメリカ国防総省の高官は18日、ロシア軍が新たに11個分の大隊をウクライナ東部や南部に投入したとの分析を明らかにしました。1万人規模に相当するとみられます。
また、アメリカとして供与を表明した射程の長い「りゅう弾砲」という大砲の運用訓練を、近くウクライナ国外で行うということです。
一方、プーチン大統領は18日、経済閣僚との会議で欧米諸国によるロシアへの経済制裁は失敗だったと主張しました。
プーチン大統領「(欧米諸国による)電撃的な経済制裁の戦略は失敗だったと自信を持って言える」
プーチン大統領は、経済は安定していると強調しましたが、首都・モスクワの市長は18日、外国企業の撤退などにより、市内で約20万人が失業する恐れがあるとの認識を示しています。