中国で「改正反スパイ法」施行 取り締まり強化
中国でスパイ行為を取り締まる「改正反スパイ法」が1日から施行されます。
改正反スパイ法は、従来の国家機密に加え、国家の安全と国益にかかわる文書やデータ、資料などを集めたり提供したりすることなども新たに取り締まりの対象になります。
古書や地図でも、掲載されている内容によっては、データを盗み取ったとみなされる可能性があるといいます。
北京では今年3月に大手製薬会社の日本人男性が拘束されましたが、具体的な拘束理由などは明らかにされていません。
夏目武志弁護士「やってはいけない行為がなんなのか、対象が不明確・不透明。どこまでがOKでどこからがだめか、直ちに判断がつきにくい問題がある」
今回の法改正で取り締まりが強化されるなか、何がスパイ行為にあたるのか定義はあいまいで、当局による恣意(しい)的な法律の運用への懸念が高まっています。
中国の改正反スパイ法についてアメリカの国家防諜安全保障センターは、「法律が曖昧なため、あらゆる文書やデータなどが国家安全保障に関わると見なされる可能性がある」として、中国で活動する企業やジャーナリスト、研究者らが取り締まりの対象になり得ると警告を出しました。
また、国務省も中国への渡航情報を更新し、「不当に拘束されるリスクがある」などとして、中国本土への渡航を再考するよう呼びかけています。