福島第一原発の処理水の海洋放出について、韓国の国民の8割近くが海や水産物の汚染を「心配している」との世論調査が明らかになりました。

韓国の世論調査会社「ギャラップ」は、福島第一原発の処理水の海洋放出によって韓国の海や水産物の汚染を心配するか、18歳以上の国民およそ1000人に尋ねました。（調査期間:6月27～29日）

この結果、「心配」が78％にのぼり、「心配しない」の20％を大きく上回りました。

●「非常に心配」62％
●「ある程度心配」16%
●「あまり心配しない」11％
●「全く心配しない」9％

尹錫悦大統領は放出について、否定的な立場は取っていませんが、「ギャラップ」は尹大統領を支持する人のうち、およそ半数が「心配」と回答している点が注目されると指摘しています。

一方、尹統領の支持率は36％と横ばいの状態が続いていて、処理水の問題が支持率にまで大きな影響を与える状況にはなっていないとみられます。

韓国では処理水をめぐって与野党の対立が激化し、野党が批判を強める中、韓国政府は6月中旬から毎日、放出に関連した会見を開くなど、科学的な説明を通して不安の払拭に努めています。