韓国は10日、5年ぶりに政権交代が行われ、尹錫悦氏が新たな大統領に就任しました。尹新大統領は就任式で、大統領選挙で二分した国民世論を念頭に“団結”の必要性を強調しました。会場から中継です。

尹新大統領は4万人を超える出席者を前に、「世界の市民と力を合わせて危機と困難を解決する」などと訴えました。

尹錫悦新大統領「私は、この国を自由民主主義と市場経済体制を基盤に、国民が真の主である国に立て直し、国際社会における責任と役割を果たす国にすべきという時代の使命を持って、きょうこの場に立っています」

演説で、尹大統領は「対立」や「危機」という言葉をくり返しました。国民の代表を壇上に上げる演出も行い、大統領選挙で二分した国民世論を念頭に“団結”の必要性を強調しています。

また、壇上には退任した文在寅前大統領や、かつて自らが捜査を指揮した朴槿恵元大統領も参列し、“統合”を印象づけた形です。

ただ、新政権の首相や閣僚の人事は、国会で多数を占める野党の反発で難航していて、少数与党による「ねじれ」状態での政権運営の難しさが早くも露呈しています。

外交政策については、尹新大統領は日米韓3か国の連携を重視する姿勢を明確にしています。来賓としてアメリカからは、ハリス副大統領の夫・エムホフ氏が参加。日本からは林外相が出席し、滞在中、尹新大統領に岸田首相の親書を手渡す予定です。

尹新大統領が日本との関係改善にも意欲を示す中、政権交代を機に日韓関係の改善に向けた具体的な議論が進むかも注目されます。