トルコ南部地震 断層の“ずれ”が27キロも…専門家「熊本地震と似ているが規模がはるかに大きい」
トルコ南部を震源とする大規模な地震。衛星画像を分析すると、トルコ国内の地表にくっきりと刻まれた“27キロにも及ぶ断層のずれ”が確認できました。専門家は「熊本地震に似ているが、規模がはるかに大きい。過去最大規模だ」と指摘しています。
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トルコ・ハタイで15日、母親とその子供たちが、がれきの中を担架で運ばれていました。3人はがれきの下に閉じ込められていて、228時間ぶりに救助されました。
倒壊した自宅の下で1週間以上、救助を待っていた男性も救助され、収容されたトルコ・メルシンの医療機関で15日、取材に応じました。
救助までに1週間以上かかった被災者
「叫び続けて声がかれてしまった」
その間、男性の命をつないだ方法は――
救助までに1週間以上かかった被災者
「水を飲んだ後、空になったボトルに尿をしました。それを飲んで生き延びました」
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大地震の発生から10日が経過しました。懸命の救助活動が続いていますが、この地震で亡くなった人はトルコとシリアであわせて4万人を超えました。
救助が難航するシリア北部では――
被災者(14日)
「がれきをどけても、何も見つかりません。がれきの下からは『助けて』という声だけが聞こえるんです…」
いまだ内戦が続くシリアでは、反体制派が支配する地域で輸送ルートが制限され、支援が難航しているといいます。
シリアで支援活動を行う団体は「トルコと比べて物資の数などに格差がある」と訴えます。
シリアで支援活動を行うUNHCR(=国際連合難民高等弁務官事務所) 細井麻衣さん
「シリアとの外交関係を考慮して、物資を送ってくれる国の数が非常に限られているんですね。(トルコと)かなり明らかな格差を感じます」
さらに、国内での救助活動も数日前に打ち切りが発表されたといいます。
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一方、日本では、衛星画像を使った被害の分析が進んでいます。東京大学大学院の渡邉英徳教授は、衛星画像に写った現地の画像を拡大しながら「スタジアムの中に、たくさんのテントが建っています」と説明。別の衛星画像には、厳しい寒さの中、たき火を囲む人の姿も写っていました。
渡邉教授は、トルコ国内の衛星画像から“ある地表の変化”を発見しました。
東京大学大学院 渡邉英徳教授
「入手できた衛星画像の南北すべてを貫いて断層が走っている。27キロ分、断層が続いていました」
衛星写真の地表にくっきりと刻まれた断層のずれ。その長さは27キロにも及びます。地震に詳しい東北大学の遠田晋次教授に聞くと、「状況が熊本地震の時に似ているが、規模がはるかに大きい。過去最大規模だ」と指摘します。
渡邉教授はさらにデータの収集を進め、デジタルアーカイブに残すことで、復興に向けた手助けをしたいといいます。
衛星画像を分析する 東京大学大学院 渡邉英徳教授
「地図に重ねて、広い範囲で重ねて見ることで、より深く読み取って、自分が今できることを考えるきっかけになるんじゃないかと思います」
(2月16日放送『news zero』より)