【トルコ南部地震】“尿”飲み生き延びる…62歳の男性救出 228時間ぶりに助け出された親子も
トルコ南部を震源とする地震は、228時間ぶりに親子3人が救出されるなど、救助活動が続いています。がれきの中で、自らの尿を飲んで命をつないだ男性もいました。内戦が続く隣国のシリアでも大きな被害をもたらしていますが、反体制派の地域への支援が難航しています。
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トルコ・マラティヤで6日午前4時過ぎ、マグニチュード7.8の地震が起きた瞬間を防犯カメラがとらえていました。激しい揺れの中、男性がホテルから逃げ出してきました。雪道に人が伏せたその瞬間、すぐ後ろで建物が崩れ落ちます。電線が上下に大きく揺れ、次々と建物が倒れる様子も…。街は、がれきの山と化しました。
被災者(12日)
「店も職場も家も、みんな壊れてしまいました」
行方の分からない人を探し求めて、わずかに残った思い出のかけらを探し求めて、さまよう人たちの姿もありました。この地震で亡くなった人は、トルコとシリア合わせて4万1000人以上にのぼっています。
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発生から9日半(228時間)たった15日、トルコ南部の都市ハタイでは、がれきの下から、ぐったりとした様子の子どもと母親が助け出されました。
病院には、ヘリコプターなどで救助された人が搬送されています。倒壊した自宅の下で1週間以上、救助を待った62歳の男性もいました。
1週間後に救出された被災者(62)
「のどが壊れるほど叫び続けました」
手元には、たった1本の水しかなかったといいます。
1週間後に救出された被災者(62)
「水を飲んだあと、空になったボトルに用を足しました。それを飲んで生き延びました」
ロイター通信によると、医師は水分補給のために尿を飲むことは薦めていませんが、被災した人はそうせざるを得ない状態にまで追い詰められていました。
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家を失い、凍えるような寒さの中、テントで生活している人たちもいます。
劣悪な環境を少しでも改善するため、中東・カタールの港からはトルコに向けて、去年のサッカーワールドカップで観戦に訪れた人などが宿泊していたコンテナが送られました。地震で家を失った人が暮らせるよう、約1万個が用意されました。
今回の地震は、内戦が続く隣国のシリアでも大きな被害をもたらしています。特に支援が行き届いていないのが、反体制派の地域です。
被災者
「がれきをのけてものけても、何も見つからないが、コンクリートの下からは『助けて』という声が聞こえる。手が足りないんだ」
輸送ルートが制限されていて支援が難航。ボランティアの医師らが仮設テントで診療にあたるなどしていますが、医療物資の不足も深刻だということです。