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100時間超え“奇跡的救出”相次ぐ…トルコ南部大地震 「違法建築」の追及も

2023年2月13日 17:47
100時間超え“奇跡的救出”相次ぐ…トルコ南部大地震 「違法建築」の追及も

トルコ・ハタイで、地震発生から6日以上経った12日、がれきのすき間にいた17歳の少女が、ようやく救助されました。

救助隊員が「ひどい痛みは?」と尋ねると、少女は「ない」と答えた上、「私はすごく良い場所に入ったの。ちょうど上にこれ(がれき)が落ちてきて守られたの」と話しました。

トルコ・ハタイでは12日、別の場所でも、147時間もの間、がれきの中に取り残されていた10歳の少女が救助されました。

さらに、がれきの奥からは赤ちゃんの泣き声も聞こえてきて、生後7か月の赤ちゃんが139時間ぶりに生還しました。

発生から100時間以上経っても、奇跡的な救出が相次ぐ一方で、捜索中の救助隊員の頭上で建物が崩れ、がれきが落下するなど、危険と隣り合わせの救助活動が続いています。

しかし、なかなか救助の手が行き届かない地域もあります。

トルコ・イスケンデルンでは、女性が「母も妹もまだがれきのの中です」「助けを呼んでも、呼んでも、誰も来なくて、心がすり減りました」と訴えていました。

また、シリアではアサド政権と対立する“反体制派支配地域”への支援が難航しています。

被災した男性
「トルコからは何も(支援が)来ません。ここ(シリア政府)からも何も来ません」
「閉じ込められています」
「シリア国民は世界の人々に失望しています」

この地震で亡くなった人の数は、トルコとシリアで合わせて3万3千人を超えています。(※ロイター通信による 13日午後4時時点)

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トルコでは、政府の対応への批判が高まる中、当局は「違法建築」の摘発に乗り出しました。

イスタンブールの空港では、倒壊した住宅を建設した不動産業者の男を出国直前に逮捕。違法建築に関与した疑いで、すでに113人に逮捕状が出ているということです。

またトルコでは、別の問題も起きています。充電器を店から持ち出すなど、被災地では盗難被害が相次ぎ、治安の悪化が新たな課題として浮上。さらに、100万人以上が避難所などに身を寄せていますが、救助関係者からは被災者に疫病が広がらないか懸念する声もあがっています。

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こうした中、国際緊急援助隊の医療チームの必要機材を輸送するため、13日、日本の政府専用機が北海道の千歳基地を出発。地震発生から1週間を迎えた朝も、世界中から集まった救助隊が懸命の救助活動を続けます。