「ロシアの兵士は民間の車を射撃した」 キーウ近郊に多数の民間人の遺体
多数の民間人の遺体が見つかったブチャ以外にも、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊の街では、民間人の遺体発見の報告が相次いでいます。キーウ近郊の街から避難した人は「ロシアの兵士は民間の車を射撃した」と話しました。
(※遺体が映っている映像を加工しています)
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日本時間11日朝、ウクライナのゼレンスキー大統領は、自身のFacebookで、国民に向け新たな動画を公開しました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「彼らは、責任転嫁しようとしている。ウソをついている。ロシア軍がこの町を支配している間に人々が殺されたことは、誰の目にも明らかだ」
多数の民間人の遺体が見つかっているキーウ近郊のブチャでは、埋められていた遺体を掘り起こし、身元の確認が進められています。AP通信によると、ロシア軍が撤退前に急いで埋葬したとみられるということです。
同じくキーウ近郊のブゾワでも――
ブゾワの村の村長
「50人以上が亡くなりました。彼ら(ロシア軍)は、至近距離から撃った。17歳の子供も、車の中から焼死体で見つかりました」
ウクライナの検事総長は、キーウ州全体で、これまでに1222人の遺体が確認されたことを明らかにしています。
キーウ近郊のマカリウでも、民間人132人の遺体が見つかりました。
マカリウで生まれ育った男性に話えを聞きました。
マカリウから避難 ビタリー・ジガアルコさん
「近くの家は砲撃で壊されて、それでも子供と一緒にいるのはとても危ない。家族と一緒に車に乗って、避難し始めました。」
ビタリー・ジガアルコさんは先月4日にマカリウから避難しました。その後、連絡をとった現地の住民から聞いたのは――
マカリウから避難 ビタリー・ジガアルコさん
「射撃された避難者の車が、いっぱいあります。車の中に遺体もそのまま。ロシアの兵士は民間の車を射撃したんです」
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8日に撮影された衛星写真が捉えたのは、ロシア軍の車列です。北東部ハルキウ州から東部ドンバス地方に向かう車列で、その長さは13キロにも及んでいるといいます。
ロシア軍は、首都・キーウ周辺から撤退し、現在、東部で戦力を強めています。
ゼレンスキー大統領も、「ロシア軍は、東部でさらに大規模な作戦に移るだろう。彼らは、さらに多くのミサイルを使用することができ、さらに多くの空爆を行うことができます。しかし、我々は、彼らのその行動に備え、対抗します」と警戒感を示しています。