長期化する“ロックダウン”食料届かず「声なき抗議」中国・上海
“ロックダウン”が続く中国の上海では、市内に物資を運んできたトラック運転手が指定の場所以外で勝手に降りないよう、ドアに封鎖のシールを貼るなど、厳しい感染対策がとられています。食料も十分に届かないことに不満を募らせた住民たちは、「声なき抗議」を始めています。
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19日、中国・上海。
記者
「PCR検査のために久しぶりに屋外に出ることができました」
厳しい外出制限が続く中、NNN上海支局の記者はPCR検査を受けるため、9日ぶりに自宅を出ることが許されました。
上海市では、再び新型コロナの感染者を洗い出すため、全市民を対象にしたPCR検査と抗原検査を一斉に行っているのです。
夜の団地では、鍋などをたたいて当局への抗議活動を行う住民の姿がありました。ロックダウンが長期化する中、食料も十分に届かないことに不満を爆発させています。
ただ、警察が抗議活動の参加者を連行するケースが相次いでいるため、鍋をたたくなどの“声を上げない抗議のスタイル”に変化している地域もありました。
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上海市内に物資を運んできたトラックには、勝手にドアを開け閉めできないように封鎖された跡がありました。市の外から来たトラック運転手が指定の場所以外で勝手に降りないよう、ドアに封鎖のシールを貼るなど、厳しい感染対策がとられています。
さらに、SNSには大量の野菜などが廃棄される映像も投稿されていました。上海の隣、江蘇省から運ぶ予定でしたが、ロックダウンや厳しい感染対策の影響で上海に入れず、野菜などが腐ってしまったということです。
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上海市の18日の新規感染者は1万9442人と、依然として高い水準となっています。