ロシア外務省、早期協議求め抗議の日本側に「断固拒否する」 日本漁船“安全操業”
日本の漁船による北方領土周辺でのいわゆる「安全操業」をめぐり、早期の政府間協議を求める日本側に対し、ロシア外務省は29日、「断固拒否する」との声明を発表しました。
いわゆる「安全操業」は、ロシア側に協力金などを支払う形で北方四島周辺のロシアが主張する“領海”で日本の漁船がスケトウダラやホッケなど対象に行っている漁です。毎年、日露の政府間協議で漁獲量などを決めてきましたが、ロシアは今月19日、「協議に応じられない」と日本側に通告していました。
これに対し、日本は早期の協議を求め抗議していましたが、ロシア外務省のザハロワ報道官は29日、「日本側の抗議を断固として拒否する」とする声明を発表しました。
声明で協議に応じない具体的な理由は明らかにしていませんが、ロシアによるウクライナへの軍事作戦をめぐり、「日本が欧米による制裁を上回る先手を打つこともあった」などとしています。その上で、「日本はロシアに敬意を示し、関係改善に努めるべきだが、日本政府からそのような意向は出ていない」と批判しています。
ロシア側が協議に応じない意向を改めて示したことで、「安全操業」の実現は先行きが不透明となっています。