国際女性デー:祖国思うウクライナ人京大生「私たちは強い」日本の女性向けに起業
■空手きっかけに来日・京都へ
京都大学法学部4年生のアンナ・クレシェンコさんは、国立オデッサ大学を卒業後、空手をやっていた縁で好きだった日本へ。2018年に京都大学入学。当初は外交官希望でしたが、留学中にウクライナに住む従姉妹が産前うつになった事をきっかけに、女性の健康を支えたいと起業しました。
そこには米国シリコンバレーで知った「社会的起業」という概念があり、女性特有の健康やメンタルヘルスという「社会的課題」に日本で挑戦したいと考えたといいます。
■社会的課題に挑む
2020年12月に起業したFloraでは、女性の思春期から更年期まで各ライフステージでのカラダの悩みに寄り添うサービスを提供しています。アンナさんは日本には悩みを言いにくい文化があり、正しい知識で理解を深めることで、環境が変わればと話します。
■家族がいる祖国「ウクライナ人には強いDNAがある」
アンナさんはウクライナ南部の港町オデッサ出身。日本テレビに見せてくれた動画には和気あいあいと家族で食事する様子が映っていました。いま毎日、祖母や母と連絡をとると言いますが、ウクライナで起きていることは「悲しいし、怒りもあるし、信じられません」と声を詰まらせます。「一瞬にして生活が変わった」ことに心身ともに疲弊し「早く終わって欲しい、止めなければいけない」と訴えます。
祖国の家族を思うと寝られない日々だというアンナさん。多くの友人が避難をよぎなくされています。そして次に家族に会えるのはいつになるのか見えません。「故郷で会える日を望みますが、ダメなら移住してでも家族に会いたいです」
国外に脱出せざるを得ない人が急増するなかウクライナの人たちの国民性を問うと。「過去の歴史でも多くの大変なことが起き、にもかかわらず(ウクライナ人は)生き残った人たちです。DNAには、そういう強さがあると思います」「第二次世界大戦でも舞台になりましたが地理的な位置からしても、強い人しか住んでいません」と静かに話します。