ロシア外相、インド首相と会談 印への輸出拡大に期待感
ロシアのラブロフ外相は、1日、訪問先のインドでモディ首相やジャイシャンカル外相と会談しました。欧米からの経済制裁が強まる中、ロシア産原油などについて、インドへの輸出拡大に期待感を示しました。
インドは、国連総会でのロシア非難決議を棄権するなど、ウクライナ侵攻をめぐる対応で、欧米とは一線を画しています。
ロイター通信によりますと、ラブロフ外相は、外相会談でこうしたインドの対応について、「一方的な見方をせず、全体の事実をみていることに感謝する」と表明しました。
また、ラブロフ外相は、会談後の会見で、「インドが買いたいと望むものは何でも用意する」として、原油や武器などのロシア製品について、インドへの輸出拡大に期待感を示しました。
インド側は引き続き、ロシア産原油の購入を続ける意向です。
インドのジャイシャンカル外相は、「紛争は対話と外交を通じて解決されるべきだ」と述べましたが、侵攻への直接的な非難は避けました。
また、外相会談後にラブロフ外相と会談したモディ首相は、暴力の早期停止を求めると共に、和平に貢献する用意があると伝えたということです。
欧米からの経済制裁が強まる中、ロシアとしてはインドとの協力関係を深めたい狙いで、インドは最大の武器供給国でもあるロシアとは引き続き友好関係を保つ狙いとみられます。
インドをめぐっては、各国の高官の訪問が相次いでいます。
先月25日には、ロシア寄りの姿勢を示す中国の王毅外相がインドを訪問して外相会談を行い、インドとの共同歩調をアピールしました。
一方で、ロシアとインドとの接近に欧米は警戒感を強めていて、ラブロフ外相のインド訪問に先立ち、アメリカ政府高官やイギリスの外相がインドを訪れ、ロシアの制裁逃れを手助けしないようくぎを刺しています。
インドをめぐり、ロシア・中国と、欧米などとの間で綱引きが激しさを増しています。