「ヒジャブ」取り締まり強化…イラン女性死亡で抗議デモ 現地在住の日本人女性「ちょっとでもズレると注意」
イランで髪を隠すための「ヒジャブ」のつけ方が適切でないとして拘束された女性が死亡し、連日、抗議デモが相次いでいます。去年、新しい大統領が就任して以降、取り締まりの強化が進んでいたさなかのできごとでした。現地に住む日本人女性も「いつも、ちゃんとかぶれてるか気にしている」と話します。
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今、イラン各地でデモが広がっています。 イラン西部で21日に撮影されたとされる映像には、銃声が響き渡る場面や、「女性! 人生! 自由!」とのシュプレヒコールが上がる場面も映っていました。
そのきっかけは、「ヒジャブ」と呼ばれる布のつけ方が不適切だとして拘束された女性、マフサ・アミニさん(22)の突然の死でした。
イランは女性に公の場で髪を隠すことを義務づけています。BBCによると、去年に保守強硬派のライシ大統領が就任して以降、監視カメラで女性を監視できる大統領令に署名するなど、取り締まりの強化が進んでいます。
“警察による暴行”を指摘する声も上がる中、イランの内務大臣は17日、メディアの取材に「暴行という報告はありません。彼女はいくつかの健康の問題を抱えていたようです」と答えていました。
イラン警察が公開した映像では、警察官がアミニさんのヒジャブに触れ、会話すると突然、アミニさんが倒れ込んでしまう様子が映っていました。イラン当局は死因を「心臓発作によるもの」としていますが、ロイター通信によると、アミニさんの家族は「健康状態に問題はなかった」と話しているといいます。
抗議デモでは一部が暴徒化し、AP通信によると、治安当局と衝突するなどしてこれまでに26人が死亡したとみられています。
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日本時間23日夜、イランに住む日本人に話を聞きました。
イラン在住 松本純さん
「割と近くでもデモが行われているので、緊張感がありますね。友達の家では、窓を開けていたら催涙ガスのようなものが入ってきて、窓を開けるのも怖いなと」
ヒジャブを適切につけているか、街中でも監視の目は厳しくなっているといいます。
イラン在住 松本純さん
「レストランでご飯食べている時に(ヒジャブが)落ちてしまっていた。ちょっとでもズレてると注意されてしまうので、いつも、ちゃんとかぶれてるかなって気にしながら生活しています」
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こうした中、アメリカ財務省は、イランで女性の服装を取り締まる治安当局の高官ら7人について、資産凍結などの制裁を科したことを明らかにしました。
(9月23日放送『news zero』より)