ガザ地区への地上侵攻…イスラエルが可能性示唆 SNSにフェイク映像も拡散…EUがマスク氏に“緊急措置”要請
イスラエルは、パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」による住民虐殺が行われたとされる集落を報道陣に公開しました。激しい戦闘が続くなか、ガザ地区への地上侵攻が焦点となっています。一方、今回の武力衝突をめぐって、SNSにはフェイク映像も拡散されています。
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7日、監視カメラがハマスによる襲撃の様子を捉えていました。
ゲートの近くにハマスの戦闘員が立っています。1台の車がやってくると戦闘員が近づき、車に向け発砲。後部座席のガラスが砕け散りました。運転手は射殺されたとみられます。
イスラエルではこれまでに、1200人以上が死亡しています。
イスラエル軍は、ハマスによる住民虐殺が行われたとするクファール・アザの集落を報道陣に公開。がれきが散乱する町には、いたるところに遺体が残されていました。
この集落での戦闘はまだ続いていました。報道陣を案内している最中にも、「伏せて! 伏せて!」と警告。記者がカメラを置き身を伏せると、爆発音が響きました。
イスラエルメディアによると、この集落では少なくとも100人の住民が殺害され、そのうち約40人は乳児や幼児だったということです。
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イスラエル軍は報復として、11日未明もガザ地区への大規模な空爆を続けています。
ガザ地区では、負傷者を抱え、救急車へと運ぶ様子が見られました。
負傷した家族
「心配しないで、もう大丈夫。もう何もない」
これまでにガザ地区では、1055人が死亡しています。
こうしたなか、EU=ヨーロッパ連合は、イスラエルがガザ地区への電気や水などを遮断する“完全封鎖”を発表したことなどは「国際法に違反している」と非難しました。
ただ、地元メディアによると、イスラエルのガラント国防相は「総攻撃に向かう」と宣言。ガザ地区との境界にはすでに10万人を配置していて、地上侵攻に踏みきる可能性を示唆しています。
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一方、今回の武力衝突をめぐって、SNSにはフェイク映像も拡散されています。
ハマスによるイスラエルへの襲撃の瞬間として、多数のパラグライダーとみられるものが空中を舞う様子を捉えた映像が投稿されていましたが、ロイター通信によると、エジプト・カイロで撮影されたものだということです。
X(旧Twitter)では、こうしたフェイク映像が複数確認されているといいます。EUはイーロン・マスク氏に対して、偽情報の拡散について緊急措置を取ることを求める要請文を送っています。
(10月11日放送『news zero』より)