イスラエル軍 ハマス戦闘員の侵入地域「完全に制圧」
中東・パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」と、イスラエルによる武力衝突が激化する中、イスラエル軍は、ハマス戦闘員が侵入した地域を制圧したと発表しました。
イスラエル軍は、イスラム組織「ハマス」の大規模攻撃に対する報復として、パレスチナ自治区のガザ地区への空爆や領内に侵入したハマス戦闘員の掃討作戦を続けています。
こうした中、イスラエル軍は10日、ハマス戦闘員などが侵入したガザ地区周辺について、完全に制圧したと発表しました。境界に沿って戦車なども配備していて、地上侵攻を視野にいれた動きとの見方も出ています。
また、イスラエル軍の報道官は、ガザ周辺のイスラエル領内で、およそ1500人のハマス戦闘員の遺体が発見されたことを明らかにしました。
パレスチナ側の保健当局は、ガザで900人が死亡したとする一方、イスラエル側の死者も1000人以上に上っていて、遺体発見を受け、さらに死者数が増える可能性が高まっています。
一方、アメリカのバイデン大統領は10日、演説し少なくともアメリカ人14人が死亡し、ハマスに拘束されている人質の中にアメリカ人が含まれていると明らかにしました。ホワイトハウスによりますと、現在、20人以上のアメリカ人が行方不明で、このうち何人が人質となっているかは把握できていないということです。
また、国務省はブリンケン国務長官が追加の軍事支援などについて協議するため12日にイスラエルを訪問すると発表しました。
こうした中、ロシアのプーチン大統領は10日、中東情勢について、「パレスチナの主権国家創設の問題を解決すべきだ」と述べました。さらにプーチン大統領は、イスラエル支援を打ち出しているバイデン大統領について、「中東におけるアメリカの政策の失敗例で、パレスチナ人の利益を考慮していない」と厳しく批判しました。