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NATO 新たな「戦略概念」中露の位置づけ大きく転換 強い警戒感

2022年6月30日 18:28

NATO(=北大西洋条約機構)が首脳会議を開き、今後10年の戦略指針となる新たな「戦略概念」で、ロシアや中国に対する位置づけを大きく転換しました。会場のスペイン・マドリードから渡邊翔記者の報告です。

首脳会議は2日目に入り、まもなく最後の議論が始まります。今回の「戦略概念」では、特に中国に関する記載が初めて登場し、NATOの警戒感が強く出た形となりました。

新たな「戦略概念」では、これまで「戦略的パートナー」としていたロシアの位置づけを「最も重大で直接的な脅威」と大きく変更したほか、中国について、「その野心と強制的な政策は、我々の利益、安全、価値への挑戦だ」などと指摘しています。

NATO・ストルテンベルグ事務総長「中国は核兵器を含む軍事力を大幅に増強し、近隣諸国をいじめ、台湾を脅かしている」

なぜ欧米地域の軍事同盟であるNATOが、中国に強い警戒感を示すのか。その答えとなるのが、今回初めて首脳会議に出席した岸田首相が訴えた「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」という言葉です。

中国が将来、ロシアと同じように、世界の秩序に対する「脅威」になってはならない。NATOも同じような危機感を持っているということなんです。

一方、首脳会議で北欧のフィンランド・スウェーデンの加盟手続き開始が承認されたことを受け、ロシアのプーチン大統領はさっそく反発しています。NATOが両国に軍などを配備した場合、「ロシアは相応の対応を取る」と強くけん制しました。