ウクライナ支援へロシアでも… 最終営業日のマクドナルドで募金の“会食”
今、ウクライナへ支援の輪が広がっています。マクドナルドのロシア国内における最後の営業日となる13日、モスクワの店舗では、ハンバーガーをナイフとフォークで食べる人々の姿がありました。ウクライナへの支援金を募るイベントを開催したということです。
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14日、ロシア・モスクワにある空港には、スーツケースに荷物を詰め込む日本人の男性の姿がありました。
今、日本人が、ロシアから、続々と退避しています。
出国する日本人
「留学で来ていまして、(家族が)心配しているみたいで」
今月7日、外務省がロシア全土の危険情報を4段階で2番目に厳しい「レベル3」に引き上げたことや、経済制裁で緊張が高まっているとして、日本人が相次いで出国しています。
ただ、空路での出国手段が制限されているため、日本に戻るためには、中東などを経由しなければならず、航空券代も約40万円かかるといいます。
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企業の“脱ロシア”がすすむ中、ロシア全店舗の営業を、14日から、一時停止したアメリカのファストフード大手、マクドナルド。
最後の営業日の13日、モスクワの店舗では、ハンバーガーをナイフとフォークで食べる人々の姿がありました。テーブルには、キャンドルや花などもありました。
イベント主催者
「自由に抗議できる方法を探し、人々を助けようとしているんです」
市内で抗議デモを行うと、拘束されるなど危険が伴うため、マクドナルドに人を集め、ウクライナへの支援金を募るイベントを開催したということです。
多くの人が避難しているポーランドでは、会社を経営する日本人が支援に乗り出しました。
アサガオ有限会社 吉田祐美代表(27)
「私たちは、まとめた物資をウクライナに送ることに専念しましょう」
“ポーランドの企業としてできることはないか”と、ウクライナから避難してきた人たちの家族などから、今、必要な物資を聞き取って、国境の街まで行き、ウクライナに届ける活動をしています。
吉田祐美代表(27)
「女性だったり、お子さんを(ウクライナの)東から西に逃がすようなことをする男性が、車で国境まで連れてきた帰りに物資をのせて(帰ってもらう)」
ポーランドで暮らすウクライナ出身の男性は、弟がまだキエフにいて、少しでも力になりたいと、支援に協力しています。
ロマンさん(34)
「ひどい状況です。家族は離ればなれになり、前線で戦っている人は 止血剤などが足りなくなってきているし、街に残っている人は衛生用品が足りない」
これまでに日本から300万円近い寄付金が集まり、食料、携帯バッテリーなどを届けました。
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広がるウクライナへの支援の輪。
15日、東京・渋谷のチェコ共和国大使館ホールでは、チャリティーコンサートが開かれ、ウクライナ出身の女性が民族楽器を奏でました。姉2人が今もふるさとにとどまったままだといいます。
ウクライナ語で歌ったのは、日本の歌「ふるさと」です。
ナターシャ・グジーさん(42)
「(音楽の力で)困難を乗り越えられる力になって、心の中に希望というともしびが生まれれば、いいなと思って」
“心はウクライナと共に…”平和への思いが込められていました。