【秋田県知事選挙特集④】人手不足に県内企業はどう対応?高い技術力を誇る工場を取材 事業拡大に向けた取り組み
26日は、「企業の人手不足」についてです。
民間の調査会社・帝国データバンクによりますと、正社員が不足していると答えた県内企業の割合は、去年10月で、半数にのぼる50%。
業種別では、建設業が最も高く、次いで飲食店などのサービス業、そして小売業と続き、いずれも高い水準となっています。
人手不足に、県内企業はどう対応しているのか、高い技術力を持つ、1つの工場を取材しました。
■高い技術も人手不足…2つの方針転換で事業拡大へ
大館市にある、小滝電機製作所です。
東北でここだけという技術を持ち、ある部品の製造で、高いシェアを誇っています。
その部品は、車のLEDランプです。
自動車メーカーの増産に伴い、部品の生産数を増やすことを計画していましたが、人手不足で事業の拡大ができないという経営課題に直面していました。
そこで、小滝電機製作所は、2つの方針転換をしました。
1つ目が、外国人技能実習生の採用です。
現在、40人が働いています。
年齢は20代前半が多く、インドネシアとベトナムから集まりました。
言葉も宗教も違う実習生。
会社も彼らが働きやすい環境を整えました。
期間が限られるという制約もありますが、細かな手作業や、製品の最終チェックなど、大事な仕事を任せています。
もうひとつは、県外で働いていた県内出身者の積極的な採用です。
関東で働いていた武田晋平さんと羽沢建太さんは、地元に戻る形で、この会社に入りました。
武田晋平さん
「兄弟もいたんですけど、みんな東京で働いていて、その中で自分が一番(年)下なので。そういうところもあって、親父の世話のために戻って来たって感じですね」
羽沢建太さん
「帰って来て1年経ってないぐらいですけど、はい、結婚しまして」
「地元の方がやっぱり安心感があって、慣れ親しんだまちで。住みやすいですね」
東京でエンジニアをしていた武田さんは、前の職場での技術を生かしながら、機械の設計や組み立てをする部署で働いています。
武田さん
「前職でもやっぱりロボット機械とか、そういうのに電線をはわせたりとか、信号のシグナルを見たりとかっていうふうなことをやってきましたので、こういう機械も、こういうところで信号の出入りをしたりとかっていうのがありますので、そういうのを確かめる上でも、知識は生きていますね」
2人のようないわゆるAターン就職者は、県内で年間1100人ほどいて、その数は、ここ十数年、ほぼ横ばいで推移しています。
ただ、県によりますと、Aターンを希望する人たちが働きたいという職種が県内には少なく、企業と求職者のマッチングがうまくいかないケースもあります。
小滝電気製作所では、事業の拡大を図るためにも、今後も、新卒採用に加えて、外国人人材とAターン人材の採用を伸ばしていきたいたい考えです。
小滝電気製作所 中村英明 社長
「まだ(人材は)足りないです。これから将来、この先ですね、2年後3年後と、事業が拡大できる、そういった見込みを、我々は持っております。その中で、これからもっともっと人材を採用して、事業をしっかりと構築する、そういった基盤を築くことを考えていかなきゃならないというふうに思っています」
■企業の人出不足について立候補者3人の考えは?
企業の人手不足について、知事選に立候補している3人はどう対応していく考えなのか。
猿田和三氏は、「高校生・大学生のインターンシップや、外国人人材の受け入れなどの強化」。
鈴木健太氏は、「首都圏で働く様々な職種の現役世代の、Aターン促進」。
大久保範夫氏は、「製造業の機械化や自動化と農業の大規模経営化」を主にあげています。
詳しくは、ABSのニュースサイトでも公開しています。