もうすぐ新学期!松山市中心部を通学中の高校生目線で…自転車の“ここが危ない!”を調査
もうすぐ新学期。自転車通勤や通学を始める‟自転車若葉マーク”の人が増える季節です。
今回は、現役高校生が指摘する危ない場所やシーンを取材しました。
先週、松前町のホームセンターで賑わっていた自転車コーナー。
春から高校生:
「高校まで結構距離があるんですよ。だから早めに直して、これからもそのチャリに乗って高校まで頑張ろうかなと思ってます」
新学期に自転車通学を始める子ども達や保護者が、新しい自転車選びや自転車の点検に来ていました。
DCM松前店 井出さん:
「自転車の修理も増えてきてますね。これから高校に入学して乗るのに安全に乗れるようにというところで、調整の依頼きております」
売り場では、通学用を中心に自転車の台数を普段の1.5倍に増やして対応しています。
高校生が関係する事故の9割が「自転車に乗車中」
楽しい学校生活を送るために、気をつけてほしい交通事故。
県内で去年1年間に発生した「高校生が関係する事故」は98件で、そのうち9割が「自転車に乗車中」でした。
ほとんどが自転車に乗っていて事故…さらに、このうち3割が自転車の高校生の方が過失割合の大きい第一当事者‟加害者”となりました。
自転車が加害者となる事故は全国で発生していて、中には自転車の小学生が歩行者をはね、意識が戻らない状態となり、およそ1億円の損害賠償を求められたケースもあります。
交通事故の加害者にも被害者にもならないために…今回は、高校生が自転車で通学中に「危ない!」と思うシーンや場所を取材。
自転車‟若葉マーク”の人が増える春、みんなで交通ルールを改めて確認しませんか?
済美高校1年の木下さんが毎朝見ている風景は
次々とすれ違う自転車に…目の前に現れた自転車の行列。
松山市中心部を自転車で通学している、済美高校1年の木下くんが毎朝見ている風景です。
済美高校1年 木下稜太さん:
「自宅から学校まで1.5キロぐらいですね。(時間でいうと?)10分~15分くらいですね。危険な箇所が2か所ぐらいあって…」
例えば…
木下くん:
「雨の日とか特に、線路の隙間に 自転車のタイヤが挟まって転ぶことが よくあるんですよね」
木下くんが「危ない!」と話す場所では、大きな事故につながりかねない「危険因子」が見えてきました。
自転車の交通ルールをチェックしてみよう
と、その前に…自転車の交通ルールをクイズでチェック!道路交通法上、自転車は「軽車両」で、車の仲間です。そのため「走る場所」が決まっています。
そこで、第1問!
『自転車は、原則車道を走らなければならないが、車道の右側・左側両方走ってよい。〇か×か?』
正解は、×!自転車は原則として「車道の左端」を走ることになっています。
車道の右側、つまり車と逆方向に走ると「逆走」、違反行為です。前からやってきた車やバイク、自転車と衝突してしまう恐れがあるためです。
一方、「自転車通行可」の標識がある歩道は、自転車も走行することができます。
第2問!
『「自転車通行可」の歩道を自転車で走る場合、走るべきなのはどこ?AからCのなかから答えてください』
正解は、C!自転車は、歩道では「車道寄りを徐行して」走ることが定められています。
この時、道路交通法では車と逆方向に走ってもよいことになっていますが…自転車同士の衝突を防ぐために、愛媛県では独自に条例で「車と同一の方向に走ること」を推奨しています。
自転車は
・車道を走る時は必ず左側を 車と同じ方向に
・歩道では「車道寄り」をなるべく車と同じ方向に走って下さい。
「自転車は車のなかま」。歩道は歩行者優先なので、スピードを出し過ぎず、歩行者の動きに注意してやさしく運転することがポイントです。
・信号無視
・夜間の無灯火
・並進・携帯電話使用
・一時不停止
これらは全て罰則付きの交通違反です。こうしたルールを踏まえたうえで、自転車通学生の木下くんが「危ない!」と指摘する場所の様子を見てもらいましょう。
木下さんが通学中に「危ない!」と感じる場所
木下くんが「危ない!」と指摘するのは、松山市河原町と末広町の交差点。どちらも、片側1車線の車道を自転車で横断する時です。
共通しているのは
・信号機がなく
・朝の通勤通学時間は、交通量が多い場所
こちらは河原町。交通量が多いため、ほとんどの自転車が信号待ちをする車と車の間を走り抜けていきます。
画面左側から横断しようとする自転車。左右からやってくるバイクや車は止まりきっていませんが横断を始めます。車のスピードによっては、ぶつかっていたかもしれません。
一方、末広町の交差点。こちらも、朝の通勤通学時間はたくさんの自転車と車、歩行者が行き交い、混雑しています。
交差点を西に向かって横断する自転車の目線です。
向かって右側は比較的確認しやすいものの、左側には高い塀があり、見通しは悪く…左右だけでなく対向からも車や自転車がひっきりなしにやってきます。
高校生:
「朝の通勤時間帯は交通量が多いので、車とかに迷惑かけないように気を付けている。自転車側が無理に渡ってたりとか、それで車が驚いていたり、けっこう見ることはあります」
定点観測をすると、危険な場面がしばしば見られました。
①画面左側から次々と横断する自転車。最後に2台が横並びでやってきますが、その奥から車!
②こちらでは…スピードを緩めずに交差点に進入する自転車がしばしば。
ついに…歩道を走る自転車と、交差点に進入してきた自転車が衝突してしまいました。
交通量が多く見通しが悪い場所だからこそ、自転車は左右を確認して無理な横断をしない。
道幅が狭いので、逆走や並進はしないなどルールを守って、事故のリスクを減らすことが重要です。
木下くん:
「相手に対する思いやりとかがないと事故も起きるし、 危険なことが増えるかなと思いますね」
高校生:
「信号がつくと安心かなと思います」
高校生:
「自転車側も車側もどちらとも確認したら、事故にはつながらないんじゃないかなと思います」
高校生:
「左右確認とか一旦止まるとか、車と自転車のお互いが交通マナーを意識して、事故らないようにする意識が大事かなと思います」
交通量の多い時間帯だからこそ、この交差点を通行する全ての人がゆとりをもって行動することが事故リスクの低減につながるかもしれません。
間もなく新年度!交通ルールも万全にして、事故なしで新生活がスタートできますように。