佐渡市の初夏の風物詩「焼きあご作り」に異変が起きています。原因はトビウオの不漁…あの人気ラーメンにも影響がでています。

この味を求めて全国から多くの客が訪れます。

上越市の人気ラーメン店「麺屋あごすけ」。

店名の由来にもなっているのがトビウオの煮干し、焼きあごからとった「あごだし」です。しかし…

〈麺屋あごすけ　月岡二幸さん〉
「うち店名が“あごすけ”なもので、ずっと焼きあごを出汁のメインでやってきましたけど、いま一番煮干しが高騰どころか倍。昔に比べると倍になりまして」

仕入れている焼きあごは1キロ5000円。佐渡産のものは9000円にまで高騰。

それでも仕入れをやめることはできないといいます。

〈麺屋あごすけ　月岡二幸さん〉
「とんでもない金額なんですけど、僕らが（仕入れを）やめると作ってくれる人がいなくなっちゃう。少しでもいいから（佐渡産を）入れているんですよ」

トビウオを強火で焼き上げた後、弱火で水分を飛ばす佐渡の「焼きあご」作り。

しかし、いま、異変が起きています。

50年間、焼きあごを作ってきた本間勘太郎さんです。

ことしはトビウオの水揚げが「ゼロ」。焼きあご作りができなかったといいます。

〈本間勘太郎さん〉
「ことしのように1匹もあがらなくて焼かなかったというのは初めての出来事です」

県水産海洋研究所によると、県内の漁獲量は2016年に99.4トンだったものが去年は2.8トンまでに激減。理由はわかっていません。

〈本間勘太郎さん〉
「えらいことになってしまった。トビウオだけはこんなになくなるとは誰も想像できなかった」

トビウオの不漁により人気ラーメンに影を落とす原料の高騰。

そして、佐渡の伝統産業は岐路に立たされています。