「特定秘密」初の漏洩 海自1等海佐を懲戒免職処分
防衛省は、安全保障に関する「特定秘密」を漏洩させたとして海上自衛隊の1等海佐を懲戒免職処分にしたと発表しました。「特定秘密保護法」が成立して以来、漏洩が明らかになるのは初めてです。
防衛省によりますと、部外に「特定秘密」を漏洩させたのは、当時、海上自衛隊で情報を専門に扱う部隊である「情報業務群」の司令だった井上高志1等海佐です。
井上1佐は、2020年3月、元上司で海上自衛隊の現場のトップである自衛艦隊司令官を務めたOBからも求めに応じ、ブリーフィングをした際、日本周辺の情勢に関する「特定秘密」を含む情報を漏洩させたということです。
秘密情報を漏らした可能性があるとの情報提供により発覚し、内部調査に対し、井上1佐は漏洩を認めたということです。
防衛省は井上1佐を懲戒免職処分にしました。
また、自衛隊の警察にあたる警務隊が、井上1佐を「特定秘密保護法」違反と「自衛隊法」違反の容疑で横浜地検に書類送検しました。
「特定秘密保護法」は、「防衛」や「外交」などの4つの分野で、漏洩すると日本の安全保障に著しい支障を与える情報について政府が一定期間「特定秘密」に指定し、保護するもので、2014年の施行以来、漏洩が発覚するのは今回が初めてです。