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佐渡島の金山で林外相「韓国への配慮ない」

2022年1月24日 11:22
佐渡島の金山で林外相「韓国への配慮ない」

国会では24日から衆議院予算委員会が始まりました。新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産への推薦をめぐって、林外相は、「韓国への外交的配慮を行うことは全くない」と述べました。

「佐渡島の金山」をめぐっては先月、文化庁の文化審議会から、今年度の世界文化遺産の国内推薦候補に選ばれていましたが、韓国が「戦時中に朝鮮半島出身者が過酷な強制労働を強いられた」などと反発。政府は「世界から歓迎される世界遺産でないといけない」などとして、今年度の世界文化遺産への推薦を見送る方向で調整に入り、これに自民党内の保守派が反発していました。

こうした中、保守派で知られる自民党の高市政調会長は24日の予算委員会で、「佐渡島の金山」の世界文化遺産への推薦を必ず今年度行うべきと迫りました。

自民党・高市政調会長「佐渡島の金山のユネスコへの推薦について、韓国外交部報道官の論評や、3月に大統領選挙を控える韓国への外交的配慮も、官房長官もおっしゃった懸案事項に該当するでしょうか」

林外相「文化審議会からの答申を受けまして、佐渡島の金山の世界遺産登録を実現する上で、何が最も効果的かという観点から、政府内で総合的な検討を行っております。韓国への外交的配慮、こういったものを行うことは全くないということでございました。なお、佐渡島の金山に関する韓国側の独自の主張については、日本側としては全く受けられず、韓国側に強く申し入れを行ったところでございます。また、韓国国内において、事実に反する報道が多数なされていることは極めて遺憾であり、引き続き我が国の立場を国際社会に説明してまいりたいと思っております」

自民党・高市政調会長「日本政府としてユネスコ世界遺産委員会に推薦するためには、閣議了解が必要で、推薦期限は2月1日に迫っています。1年に1件しか申請できない貴重な機会ですから、必ず今年度に推薦を行うべきだと考えますが、外務大臣のご見解を伺います」

林外相「政府といたしましては、佐渡島の金山に関する文化庁の文化審議会の答申を受け、この佐渡島の金山の文化遺産としての価値に鑑み、ぜひ登録を実現したいと考えておりまして、現在、文科省および外務省において、総合的な検討を行っているところでございます。政府といたしましては、登録の実現に向けて必要な諸準備を進める中で、様々な事項を考慮しているわけでございますが、そうした考慮要素として、まず他国から疑義が呈される場合に、佐渡島の金山に関わる歴史や事実関係について、証拠をあげて反論を行うために、十分な準備が整っているか検討しているところでございます」

林外相はさらに、「まだ本年度の推薦をしないと決めたということではない」と述べました。