藤井財務相が辞任の意向を固めたことについて、鳩山首相は６日、続投を望む考えを示す一方で、医師の診断結果次第では辞任もやむを得ないとの考えを示した。すでに後任として菅副総理や野田財務副大臣、仙谷行政刷新相の名前が挙がっているが、民主党内では、小沢幹事長と距離を置く野田氏や仙谷氏では小沢幹事長が了承しないとの声も出ている。

　鳩山首相は６日朝、「体調の話ですから、医師の診断というものをそれはそれなりに考えなくてはいけないと思っておりますが、まだ最終的な判断をいただいていませんから」と述べた。

　藤井財務相が辞意を固めた背景について、民主党内では、小沢幹事長が去年末に来年度予算編成について「政治主導がなっていない」と藤井財務相を念頭に批判したことなど、小沢幹事長との確執に嫌気が差したとの見方が出ている。また、小沢幹事長の政治資金問題をめぐり、自由党時代の政治資金に深く関与した藤井財務相が通常国会で野党の追及の矢面に立つことを嫌ったとの指摘もある。

　後任として名前が挙がっている野田氏は６日、「全くあり得ないです」、菅氏は「すべては鳩山首相が決めることです」、仙谷氏は「私が後任になることは９９．９９％ない」と話した。

　ある官邸関係者は「週内にはカタをつけないといけない。そうしないと鳩山首相の決断力が問われる」と話している。

　１８日の通常国会召集を控え、鳩山首相には迅速な判断が求められている。