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予算案採決で攻防 与党は28日中に採決へ

2011年2月28日 18:29
予算案採決で攻防 与党は28日中に採決へ

 11年度予算案をめぐる攻防が、最大のヤマ場を迎えている。28日中に予算案を採決する方針の政府・与党に対し、野党側は徹底抗戦の構えで、28日夕方、中井予算委員長の解任決議案を提出した。

 野党側の反発の理由は、与党が予算案だけを28日に採決しようとしている点にある。予算案と表裏一体の関係にある関連法案の成立のメドが立たず、与党側は関連法案の採決を先送りした。

 先に会派離脱を表明した小沢元代表に近い民主党議員16人は、採決にそろって欠席する方向で話し合っているが、異論も出ている。欠席した場合、民主党執行部は処分に踏み切る考えで、ぎりぎりまで説得を続けるとしている。この16人のうちの一人、水野智彦議員が「都合により委員会には出られない」と申し出たため、民主党は水野氏を予算委員会の委員から差し替えた。16人が欠席の方向となったのは、予算案に賛成すれば腰砕けに見えるし、反対すれば執行部から除名などの厳しい処分も予想されるため。しかし、政権与党にとって最も重要な採決といえる予算案採決で造反議員が出れば、菅首相の求心力低下は明らかだ。

 菅首相は今国会を「熟議の国会」と位置づけ、当初から野党側に歩み寄る姿勢を示してきた。しかし結局、野党側との話し合いがつかないばかりか、身内から造反の危機にもさらされ、今後の先行きが見えないままの採決に踏み切ることになる。