臨時国会が２０日に召集される。１１年度第３次補正予算案の審議など重要なテーマが目白押しだが、政府・与党だけでなく、野党も真価が問われる国会になる。

　２０日からの臨時国会を前に、東日本大震災復興のための第３次補正予算案をめぐっては、すでに与野党の調整が始まっている。自民党も最終的には賛成する方針だが、ここまでの議論は、震災対応で民主党との協議に前向きな公明党に引きずられる形が目立っている。復興債の償還期間をめぐっても、政府の１０年案に対して、自民党は６０年程度を主張したが、公明党が１５～２０年の折衷案を示し、民主党は公明党案を軸に調整している。むしろ、自民党は政策面で埋没しかねない苦しい対応を迫られている。

　一方で自民党は、野田政権を揺さぶって早期解散に追い込むことも目指している。ＮＮＮが独自に入手した自民党・大島副総裁手書きの今国会の追及シナリオには、「Ｙ大臣問題、芽出し」という言葉が書かれている。このように閣僚の資質を問い、１２月９日の会期末には問責決議案を出す戦略も描く自民党だが、解散に向けた具体的な展望が見えているわけではない。

　野田首相も正念場だが、最大野党の自民党も責任が厳しく問われる国会となる。