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日韓首脳会談 慰安婦問題で立場に相違

2011年12月19日 0:29
日韓首脳会談 慰安婦問題で立場に相違

 野田首相は18日、京都迎賓館で韓国・李明博大統領と会談した。懸案として浮上した従軍慰安婦問題では、双方の立場の違いが鮮明になった。

 会談を終えた2人はそろって竜安寺を視察し、関係者も「両首脳の非常に強い個人的な信頼関係が強く感じられた」と話すなど、信頼関係の構築には一定の成果があったといえる。しかし、会談直前に浮上した従軍慰安婦問題をめぐっては両首脳ともに国内の世論を意識せざるを得ず、李大統領は会談冒頭で「(真のパートナーになるのに)障害となっている従軍慰安婦問題を優先的に解決するために、真の勇気を持ってほしい」と切り出した。

 両首脳は「過去の歴史を直視する中で、未来志向的な成熟した日韓関係発展のために努力していく」としているが、野田首相は「慰安婦問題は解決済み」との姿勢を崩さなかった。

 野田首相「我が国の法的立場はすでに決まっている。決着済みということになっている。これからも、人道的見地から知恵を絞っていこう」

 野田首相はまた、韓国の日本大使館前に建てられた、慰安婦問題を象徴する少女の像を早期に撤去するよう李大統領に求めたことを明らかにした。これに対し、韓国大統領府によると、李大統領は「従軍慰安婦問題に誠意ある措置がなければ、第2、第3の像が建てられるだろう」と述べたという。

 日韓両国に横たわる歴史問題は根深く、解決にはなお時間がかかる。