【全文】ポーランドミサイル着弾「大変憂慮」官房長官会見(11/16午前)
松野官房長官は、16日午前の会見で、ポーランドにミサイルが着弾したことについて「大変憂慮している」と述べました。
<会見トピックス>
▽ポーランドへのミサイル着弾
▽寺田総務相の政治資金問題
▽新型コロナ感染状況
▽2030年冬季五輪・パラ
▽中国海警局艦船
▽"統一教会"の養子縁組
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――ロシアによるミサイル発射について伺います。ウクライナに大規模なミサイル攻撃を行い、死者が出ているほか、ポーランドの外務省は声明を発表し、ロシア製のミサイルが領内に落下して2人が死亡したと明らかにした。NATO加盟国からポーランドへの連帯を強調する声も出ておりますが、日本政府としての見解と今後の対応を伺います。
○松野官房長官
ロシアの攻撃により、ウクライナ各地において多くの市民が犠牲になっていることを、極めて深刻に受け止めています。民間人や民間施設への攻撃は国際人道法違反であり、断じて正当化できないものであり、強く非難します。
また、ポーランドにミサイルが着弾したとの情報に接し、大変憂慮しています。ポーランドで犠牲者が出ていることに弔意を表明するとともに、調査の進展を注視をしています。このような時だからこそG7、NATO、そして有志国との連携、協力を一層緊密にしていきたいと考えております。岸田総理はバイデン大統領主催の本件に係るG7・NATO緊急首脳会合に出席しました。会議の詳細について追って連絡があると思いますが、日本も明年のG7議長国として引き続き積極的な役割を果たしていきたいと考えております。
――今回の事態を受けまして今後予定されている中国との首脳会談など、岸田総理の外交日程への影響についてはいかがでしょうか。
○松野官房長官
急遽G7・NATO緊急首脳会合が開催されることになりましたが、岸田総理はG7・NATO首脳会合の会場において、米英等の首脳との間でウクライナ情勢をはじめとして、活発な意見交換、議論を行ったと承知をしています。今後の予定を予断することは困難ですが、いずれにせよ、G7をはじめとする各国と連携して事態に対応してまいりたいと考えております。
――関連。ポーランドのミサイル着弾について、現在のところ日本人の被害など出ているかについて教えてください。
○松野官房長官
現時点で邦人被害が出ているとの情報には接していません。また、在ポーランド日本国大使館から在留邦人に対し、領事メールを発出し、ウクライナ国境付近への不要不急の外出を控えるよう注意喚起を行ったところであります。引き続き状況を注視し、邦人保護に万全を期してまいりたいと考えています。
――バイデン大統領は先ほど、ポーランドに着弾したミサイルはロシアから発射されていない可能性があるというふうに指摘したと速報されているが、事実関係の認識については、日本政府としてはいかがかでしょうか。
○松野官房長官
詳細につきましては、追って連絡があるものと承知をしておりますが、詳細に関しましては外務省の方にお尋ねをいただきたいと思います。
――寺田総務大臣を巡る一部報道についてお伺いします。先ほど文春オンラインの記事が公開されまして、 昨年の衆院選を巡り、選挙運動費用収支報告書に自らが選挙費用を支出していた旨を記載していながら、実際には自身とは異なる第三者の口座から一部を支出し、公職選挙法違反・虚偽記載の疑いがあると報じられています。政府として事実関係を把握しているか、また、受け止め、 今後の対応についてもあわせてお伺いします。
○松野官房長官
報道については承知をしています。政治資金に関して指摘されている事項については、寺田大臣より説明を行ってきているところであり、引き続き、報道されている点も含め政治家としての責任において適切に説明することが重要であると考えています。
――札幌市が招致を目指す 2030 年冬季五輪パラリンピックについて伺います。国際オリンピック委員会は 30 年冬季五輪の開催地を正式決定する総会を来年秋に開催する予定で、開催地決定まで1年を切りました。東京五輪招致の際には、当時の安倍首相がIOC総会に出席しプレゼンを行うなど、政府は招致活動を全面支援しました。30年冬季五輪に向けては現在政府は招致にどのようなスタンスで臨んでいるのでしょうか。東京五輪の時同様、地元自治体の招致活動を後押ししていく考えなのか見解を伺います。
○松野官房長官
オリンピックの招致プロセスについては、 2030 年以降の大会の開催地選定に関する規則が変更されたため、2030年の冬季大会については、東京大会とは異なるプロセスで開催地の選定がなされるものと承知しています。
現在、招致活動の主体である札幌市と JOCが、 IOC との対話を継続しているほか、招致に向けた全国的な機運醸成のため活動しているところでありますが、国民や地元住民の皆様に理解いただけるよう、丁寧に説明していくことが大切だと考えます。政府としては、こうした JOC、札幌市の活動を見守っていきたいと考えております。
――新型コロナの感染状況について伺います。全国の新規感染者数が昨日、2か月ぶりに10万人を超えました。政府としての感染状況の認識と対応をお願いします。
○松野官房長官
昨日の全国の新規感染者数は10万2829人 、1週間合計の新規感染者数は先週の1.24倍となり、増加のペースは落ちてきているものの、引き続き増加傾向にあります。現在の感染拡大が今後も継続し、大規模な全国的な感染拡大につながる可能性もあることから、年末に向けて、社会経済活動の活発化による接触機会の増加等が感染状況に与える影響に注視しつつ、各都道府県とも緊密に連携しながら対応していく考えてあります。政府としては、新型コロナの感染拡大や季節性インフルエンザとの同時流行に備え、発熱外来や健康、フォローアップセンターの拡充等に取り組むこととしており、都道府県に対し、11月中の外来医療体制の整備をお願いしているところです。こうした取り組みに加えて、できる限り早い時期のワクチン接種や、感染状況に応じて国民の皆様に具体的なメッセージを発信し、事前の準備や重症化リスク別の行動を促すなど、先手先手で対応してまいりたいと考えております。
――昨日、尖閣諸島周辺の接続水域で76ミリ砲を搭載したとみられる中国海警局の船舶が航行しました。中国はこれまでもたびたび30ミリ砲を積んだ船舶を派遣していますが、76ミリ砲を積んだ船舶が接続水域を航行するのは初めてとみられます。日本政府としての受け止め、今後の対応を伺います。
○松野官房長官
きのう午前7時4分ごろから午前7時20分ごろにかけて、尖閣諸島周辺の接続水域に入域した中国海警局に所属する船舶4隻のうち新たに確認された1隻が砲らしきものを搭載しているとの報告を受けています。なお、ご指摘の砲の詳細については、我が方の情報収集能力が明らかになる恐れがあり、お答えは差し控えさせていただきます。現場海域においては、同4隻に対し、引き続き海上保安庁の巡視船が我が国領海に侵入しないよう警告を行うとともに、監視警戒を行っています。また外交ルートを通じて、尖閣諸島の接続水域から直ちに立ち去るよう、また、我が国領海に入ることがないよう、中国側に対して強く申し入れを行ったところであります。中国海警局に所属する船舶による接続水域内の航行や領海侵入等の活動が相次いでいることは極めて深刻に考えています。引き続き、緊張感を持って、尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を尽くすとともに、中国側に対しては冷静かつ毅然と対応していく考えであります。
――旧統一教会について伺います。信者の2世から教義に基づいて養子縁組をされ悩んでいるという相談が支援活動を行っている弁護士から複数寄せられていることが分かりました。専門家は教団が行った養子縁組に法的な問題のある疑いもあるとして、行政が調査を進めるべきだと指摘していますが、政府としての認識と今後の対応について伺います。
○松野官房長官
どのような組織であっても、都道府県知事等の許可を受けずに、養子縁組あっせんを一定の目的を持って反復継続的に行うのであれば、養子縁組あっせん法に違反するものと認識をしています。旧統一教会に関して、ご質問のような指摘があることは承知をしており、事実関係等については、同法を所管する厚生労働省において対応を検討しているところと承知しています。