日本学術会議が軍民両用の研究を“容認”
軍事と民生の双方で活用できる「デュアルユース」の先端科学技術研究について、日本学術会議が事実上、容認する見解を示しました。木原官房副長官は「前向きに評価したい」としています。
日本学術会議の梶田会長は今月25日、小林科学技術担当相に宛てた文書で、軍事と民生の双方で活用できる「デュアルユース」の先端科学技術研究について、「単純に二分することはもはや困難で、研究対象となる科学技術をその潜在的な転用可能性をもって峻別し、扱いを一律に判断することは現実的ではない」との見解を示しました。
また、研究成果の公開性や安全保障上の要請とのバランスなどを慎重に考慮し、必要かつ適切な研究環境を確保していくことが重要だ、と指摘しています。
日本学術会議はこれまで軍事目的の研究は行わない、との立場でしたが、AIや量子技術など、安全保障分野の研究を進める上で「デュアルユース」を事実上容認した形です。
これについて木原官房副長官は、27日の会見で「我が国の先端科学技術の研究力、または国際競争力の維持・向上につながるものであると前向きに評価をしたい」と述べました。