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【全文】梨泰院事故"亡くなった2人以外日本人の被害情報なし"松野官房長官(10/31午前)

2022年10月31日 12:56
【全文】梨泰院事故"亡くなった2人以外日本人の被害情報なし"松野官房長官(10/31午前)

松野官房長官は、31日午前の会見で、韓国・梨泰院での転倒事故について、現時点で亡くなった2人以外の日本人の被害情報はないとした上で、被害者家族に対しできる限りの支援を行うと強調しました。

<会見トピックス>
▽韓国・梨泰院の転倒事故
▽ハロウィン日本の警察態勢
▽韓国への支援
▽ウクライナ産農作物

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――韓国の雑踏事故について伺います。今回の事故で身元を含めた邦人の死者、けが人について政府が把握してる情報や、亡くなった方の御遺族との連絡、ご遺体引き取りに向けた調整状況についてお聞きします。また、ハロウィン当日の本日、国内でも渋谷の繁華街で多くの人出が予想されますが、事故防止に向けた行政としての対応についてもあわせて伺います。

○松野官房長官
30日午後、現地警察当局から在韓国日本国大使館に対し、29日夜にソウルで発生した雑踏事故で邦人2名が亡くなられたとの連絡があり、大使館員が10代の女性1名、および20代の女性1名の邦人2名が亡くなられたことを確認をしました。今回の事故で亡くなられた方々に、心から哀悼の意を表するとともに、御家族に対し、お悔やみを申し上げます。事故発生後、本邦においては、外務省領事局長をヘッドとする対策室を、在韓国大使館においては、相星大使をヘッドする対策本部を設置し、情報収集や、邦人被害への対応等に当たっているところであります。現地当局等から引き続き情報収集を行っていますが、現時点で2名の方以外の邦人被害の情報には接していません。今後とも、邦人保護の観点から、御家族に寄り添いつつ、できる限りの支援を行っていきます。今回の事故を受け、ハロウィンに際して、多数の人出が見込まれる場合には、地元の自治体等と連携しつつ、交通整理等を実施し、事故の防止を図るよう、警察庁から全国警察に指示したと承知をしています。また、警視庁では、本日夕方からあす未明にかけて、渋谷駅前交差点の周辺において、渋谷区等と連携しつつ、事故の防止を図るものと承知をしております。なお、御遺体の引き取りを含めた調整状況でございますが、ご遺体の引き取りを含め、御家族の意向についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、いずれにせよ、政府としては、邦人保護の観点から、御家族に寄り添いつつ、できる限りの支援を行っていきます。

――今回の事故を受けて、韓国に向け、人的、金銭的支援など日本政府が検討しているか伺う。

○松野官房長官
現状においての対応は先ほど申し上げた通りでございます。今後の検討に関してはこれから進めていくということでございます。

――今の韓国での雑踏事故の関連で伺います。日本国内でも明石市の歩道橋事故など過去には群衆雪崩の事故が 発生しておりますが、同様の被害を出さないために今後政府として取り組むことはありますでしょうか。

○松野官房長官
これも先ほど申し上げましたけれども、地元の自治体等と連携をしつつ、交通整理等を実施をして事故の防止を図るよう、警察庁から全国警察に指示をしているところでございますが、詳細に関しましては警察庁にお尋ねをいただきたいと思います。

――ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて伺います。仲介役を務めるトルコは、ウクライナからの農産物の輸出が実質的に停止したことを明らかにしまして、国連も深い懸念を表明しています。
日本政府としての見解と今後の対応を伺います。

○松野官房長官
ウクライナ産の農産品の黒海の港からの輸出を可能としている黒海穀物輸出イニシアチブへの参加をロシアが一方的に停止すると発表したことは遺憾であります。
このイニシアチブは7月22日、国連、トルコ、ウクライナ、ロシアの4者間の合意により発足しました。以後、ウクライナから黒海を経由して900万トン以上の穀物の世界各地、特にアフリカや中東への輸出を実現してきました。
世界の食糧市場の価格低下と安定化に大きく貢献してきており、日本としてもこれまでの当事者の努力を高く評価をしています。今回のロシアの参加停止が世界の食料供給にもたらす影響、特に途上国における飢餓の拡大など、脆弱な層への影響を深刻に懸念し、注視をしています。
廉価で栄養価の高い食料へのアクセスは、世界のあらゆる人々が必要とするベーシックヒューマンニーズであります。今後、黒海からの穀物輸出が停止し、食料価格高騰等により全世界、とりわけ後発開発途上国など最も脆弱な人々の食糧安全保障を危うくする事態をもたらすことは受け容れられません。
こうした観点から、日本政府としてロシアがただちに4者合意に基づく穀物輸出枠組みへの協力を継続することを強く求めていきます。