前首相秘書官の発言…首相が“直接”謝罪 LGBT当事者たちの思いは…
同性婚などをめぐり、前首相秘書官が差別的な発言をした問題で、岸田首相は17日、LGBT・性的マイノリティーの当事者たちと面会し、謝罪しました。出席した支援団体の代表は面会を前に、岸田首相が「社会が変わってしまう」と国会で答弁したことの真意を聞きたいと話していました。
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17日午後3時すぎ、岸田首相はLGBT・性的マイノリティーの当事者たちと面会しました。
岸田首相
「前首相秘書官の発言につきましては、不当な差別と受け取られる極めて不適切なものであり、皆さま方をはじめ、多くの皆さま方に不快な思いをさせたことに関しまして、心からおわびを申し上げたいと思います」
荒井前首相秘書官が、性的マイノリティーの人たちや同性婚のあり方をめぐり、「見るのも嫌だ」などと発言したことについて、岸田首相が謝罪しました。
今回の面会で、発言者の1人として出席していたのは、LGBTに関する情報を発信し、支援する団体「プライドハウス東京」の代表で、自身もゲイであることを公表している松中さんです。
面会を前に、首相に直接聞きたいと話していたのは――
プライドハウス東京 松中権代表
「『社会が変わってしまう』という発言が1番気になっていて」
この言葉を聞いた時、松中さんは「心臓が止まるほどショックだった」といいます。
プライドハウス東京 松中権代表
「どういう意図で言ったのかというのは、お聞きしたいなと思っています」
今月1日に岸田首相が、「全ての国民にとっても、家族観や価値観や、そして社会が変わってしまう」と国会で答弁したことの真意。松中さんは、一緒に面会する他の団体との直前の打ち合わせで、「これがパフォーマンスに使われてしまったら、申し訳ないどころじゃないよね」と不安も口にしていました。
首相との面会は約30分の予定時間を超え、1時間近くにわたり意見交換が行われました。
午後4時すぎ、松中さんは面会を終えました。岸田首相は、「社会が変わる」との発言は、「例えば、制度や法律が新しく変わるということを表している」と説明したと明かした上で――
プライドハウス東京 松中権代表
「きょうもし、首相がおっしゃったことが、本当に制度、もしくは法律ってものをつくっていくということが『社会が変わる』ということなのであれば、この政府が多様性をきちんと受け止めるための制度・法律をつくっていくという意思を表しているのではないかなと感じたので、進めていただきたいなと思いました」
政府はLGBTの理解促進に向け、新たに、森まさこ首相補佐官を担当に任命しました。