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橋下市長、“出直し選挙”を正式表明

2014年2月4日 1:57
橋下市長、“出直し選挙”を正式表明

 大阪市の橋下徹市長が3日、看板政策である「大阪都構想」の行きづまりを打開するため、市長を辞職し、出直し選挙に出ることを正式表明した。

 橋下市長「今回僕は市長を辞めます。そして市長選挙を行いたいと思っています」「公明党の対応についてだけは、僕は許せません。『大阪都構想を進めますよ』なんて言って、議席を得るだけ得て、この段階でほごにするなんて人の道に反する」

 辞職の意向を正式に表明した橋下市長は、公明党とは2012年の衆議院選挙で選挙協力をした見返りに、都構想の是非を問う住民投票の実施まで協力する約束をしていたと主張。先週開かれた、大阪都構想の協議会で、大阪市の再編案を絞り込むよう求めた自身の提案に対し、公明党が反対したことについて厳しく批判した。

 一方の公明党も反論している。

 公明党大阪府議団・清水義人幹事長「公明党が一番汗をかいたじゃないですか。自民や民主や他会派とも一緒に議論に参加しましょうと取り組んできたのは我々。そういう事実に対していわれなき非難中傷は納得できません」

 橋下市長は選挙で民意を得て、都構想の議論を進めたい考えだが、自民・民主など各会派は候補者擁立を見送る方針で、市長の狙い通りに進むか、不透明な状況。

 橋下市長の出直し選挙について、政界の反応は以下の通り。

 菅官房長官「橋下市長の大阪都構想にかける強い思いというんですかね、執念というんですか、そういうことだったんじゃないかと思います」

 自民党・石破幹事長「市長選挙をやる必然性というのは、那辺(なへん)にありやということ。ちょっとよく理解しかねるなというのが、私の個人的な感想です」

 石破幹事長はさらに、「市長選挙をやっても来年までの残り任期をつとめるだけだ」などと指摘し、疑問を呈した。

 また、民主党・海江田代表は会見で、「何のために選挙をやるのかということが、いまひとつ明確に伝わってこなかった」と、橋下市長の主張に疑問を呈した。その上で、「選挙以外にとるべき方法はないのか」と述べた。

 民主党幹部も「税金を使ってまで任期途中に選挙をやる意味がわからない」などと批判した。

 さらに、橋下氏が共同代表である日本維新の会の幹部からは「橋下市長のエゴととられかねない。もう少し待った方が良かった」との声も上がっている。

 一方、公明党・山口代表も記者団に対して懸念を示した。

 公明党・山口代表「選挙をやってもそこで、市民の民意がどう示されたのかつかみにくい、そういう選挙になりはしないかと懸念をしております」

 山口代表はまた、「シングルイシューで問いかけても住民は戸惑うだろう」と述べ、橋下市長のやり方を批判した。