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TPP日米協議合意至らず…背景には何が?

2014年4月25日 18:11
TPP日米協議合意至らず…背景には何が?

 共同声明の発表を先送りしてまで続いたTPPをめぐる日米協議だが、結局、合意には至らなかった。背景には何があったのか?

 今回、何としても決着させたかったアメリカ側と「譲ってまで合意しなくてもいい」という日本とでは、かなりの温度差があった。

 オバマ大統領は来日初日の23日夜に食事した際、早速「私より安倍首相の方が支持率が高いのだからぜひ、譲歩してほしい」などと迫ってきた。首脳会談の場で結論が出なかった際にはオバマ大統領の方から「閣僚協議を続けさせよう」と提案したという事で、アメリカ側があくまでも合意にこだわっていた事がうかがえる。

 関係者によると、アメリカ側の姿勢について、安倍首相は「もうちょっと柔軟性を発揮してもらいたい」と話していたという。安倍内閣の重要閣僚の1人が「日本から譲ってまとめることはない」「今回必ずしも合意する必要はない」と話すなど、協議をめぐる日米の姿勢にはかなりの違いがあった。

 TPP協議はどうなるのか?今後行われる全参加国による交渉の行方も流動的。一方、日米が合意にまで至らなかった事について、自民党の慎重派の議員からは安堵(あんど)の声も上がっている。

 ある与党幹部は「お互い提示したものが、それぞれの国の業界団体などを納得させられるものではなかった」と話していた。発表した共同声明には「前進する道筋を特定した」と書かれているが、その先行きは不透明。