安全保障政策の大転換 安保関連法が成立
集団的自衛権の限定的な行使を可能にし、自衛隊の海外での活動範囲を広げるという日本の安全保障政策の大きな転換となる安全保障関連法が19日未明、参議院本会議で可決、成立した。
安保関連法は、自民・公明の与党に加え、次世代の党・日本を元気にする会・新党改革の野党3党などの賛成多数で可決、成立した。安保関連法をめぐっては、民主党などが採決に激しく抵抗したため、成立が19日未明にまでずれ込んだ。
安保関連法は、集団的自衛権を限定的に行使できるようにするほか、国会の承認があれば国際平和のために活動している他国の軍隊の後方支援のため自衛隊をいつでも海外に派遣できるようにするもの。
ただ、憲法学者などから憲法違反との指摘が相次いだほか、自衛隊の活動が世界規模で拡大するにもかかわらず政府が「リスクは高まらない」と説明したこと。さらには、核兵器の運搬も法理論上は可能とされるなど政策判断で行える自衛隊の活動が多く歯止めがかかっていないと指摘されたことにより、批判が高まった。
このため、衆・参両院で合わせて200時間以上審議をしたものの、国民の理解が進まないまま日本の安全保障政策を大きく転換する法律が成立した。