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日韓首脳が電話会談「責任持って実行」確認

2015年12月29日 1:08
日韓首脳が電話会談「責任持って実行」確認

 いわゆる従軍慰安婦問題で、日韓両政府が歴史的な合意に至った。岸田外相と韓国の尹炳世外相が28日、ソウルで会談し、元慰安婦支援のため韓国が設立する財団に日本政府が約10億円を拠出することなどで合意した。合意が着実に実施されれば「最終的かつ不可逆的な解決」とすることを確認している。

 岸田外相「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から日本政府は責任を痛感しています」「韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、すべての元慰安婦の方々の、名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うこととします」

 岸田外相は、元慰安婦支援のため、財団に約10億円を拠出する、と表明した。こうした措置が着実に実施された場合、「問題が最終的かつ不可逆的に解決される」と確認した。

 一方、韓国の尹外相は、日本側が求めていたソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去について、「韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、懸念していることを認知し、韓国政府としても可能な対応について関連団体と協議し、適切に解決されるよう努力する」と明言した。

 両外相は、今後国連や国際社会の場でお互いを非難・批判することは控えると明言し、日韓関係が新しい時代に入ることを強調した。

 合意を受け、安倍首相が韓国・朴槿恵大統領と電話首脳会談を行った。会談で両首脳は、今回の合意を責任を持って実行していくことを確認した。

 安倍首相「反省とおわびの気持ちを表明してきた。その思いに今後も揺るぎはありません。その上において私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない。今回その決意を実行にうつすための合意でありました」

 安倍首相が「安全保障や経済分野などで関係を強化していきたい」と呼びかけたのに対し、朴大統領は「合意を日韓関係の安定的な発展に向けた歴史的契機にしたい」「来年からはより未来志向の関係にしたい」と答えた。