協力の動き広がる野党 再編につながるか
民主党と維新の党が統一会派を結成するなど、野党間では夏の参議院選挙も見据え、協力して与党に対抗する動きが広がっている。こうした動きは野党再編につながるのだろうか。政治部・古谷朋大記者の報告。
去年12月12日、民主党の岡田代表と維新の党の松野代表は統一会派を結成するにあたり、両党が結束して安倍政権に対峙(たいじ)していく考えをそろって強調した。
民主・維新両党は、高い支持率を維持する与党に対抗していくには野党同士の「共闘」が不可欠だと考えていて、統一会派を足がかりに両党が合流する事も視野に入れている。
ただ、そのハードルは高いと言わざるを得ない。松野代表は「既成政党の合併を国民は望んでいない」として、民主党の解党を前提とした新党結成にこだわりを見せている。
一方で、岡田代表は慎重な姿勢を崩していない。また、民主党執行部の一人は「解党はない。やるとしても、吸収合併以外にはあり得ない」と明言している。
主要な政策でも両党は一枚岩ではない。2015年の通常国会で民主党は、安倍政権が示した集団的自衛権の一部行使容認に反対した一方、維新の党は一部行使を事実上認めていた。
こうした中、野党各党が模索しているのが参院選の候補者を一本化する「統一候補」の擁立だ。野党候補の共倒れを避ける狙いがあり、すでに熊本選挙区では民主・維新・共産・社民、各党の地元組織が安保法制の廃止を訴える候補者を支援する事を決めた。ただ、こうした動きも全国的に広がるかは不透明な情勢だ。
民主・維新両党の合流の時期について、ある維新の党幹部は「春頃を目指す」と話している。限られた時間の中での極めて難しい調整が必要となる。