甘利大臣に“疑惑”安倍政権への影響は?
21日の参議院決算委員会で、甘利経済再生相は21日発売の週刊誌で報じられた金銭の授受と口利きの疑惑について、事実関係を調査して説明責任を果たす考えを示した。政治部・青山和弘解説委員が報告する。
■疑惑は政権運営に影響を与えるのか?
まずは、甘利経済再生相の説明次第だが、納得のいく説明ができなければ影響ははかりしれない。
一つは国会審議への影響。TPP(=環太平洋経済連携協定)の関連法案は通常国会後半最大のテーマ。審議にあたっては、これまでTPP交渉を一貫して担当してきた甘利経済再生相以上の答弁者は見当たらない。しかし、甘利経済再生相が疑惑を抱えたままでは審議が滞り、法案の成立が危ぶまれる可能性もある。
もう一つは安倍首相を支える政権構造への影響。安倍内閣は女房役として菅官房長官がいて、その両脇を盟友の麻生副総理兼財務相と甘利経済再生相が固める構図になっている。その一角が疑惑で辞任に追い込まれるようなことがあれば屋台骨が揺らぐことになる。
■安倍首相はどう見ているのか?
安倍首相は国会で「甘利経済再生相がしっかりと説明責任を果たしていくと思う」と述べて、調査報告を見守っていく考えを示した。しかし、首相周辺からは「調査の結果を待たないと分からない」と、進退問題への波及を懸念する声も聞かれる。
一方、民主党幹部は今回の疑惑で「潮目が変わった」として徹底追及する構えを見せている。
通常国会が始まって2週間あまり、安倍首相は盟友閣僚の疑惑という極めて重い荷物を背負い込んだことになった。