甘利氏「一からやり直す」 議員辞職は否定
甘利経済再生担当相が28日、閣僚を辞任した。金銭の授受を巡る疑惑で秘書が建設会社の総務担当者から受け取った金を個人的に使っていたことなどがわかり、監督責任をとって辞任するという。
甘利経済再生相「この3年間、国務に命がけで取り組んでまいりました。国家国民のために文字通り、全身全霊で取り組んでまいったという自負があります。私を支える秘書の問題で国民の皆様に対し、大変恥ずかしい事態を招いてしまった事実が判明をしました。本来、安倍政権を支える中心的立場の人間が、逆に安倍政権の足を引っ張るという、安倍内閣の一員としての閣僚、甘利明にとっては誠に耐え難い事態であります。国会議員としての、秘書の監督責任、閣僚の責務、政治家としての矜持(きょうじ)に鑑み、本日ここに、閣僚の職を辞することを決断しました」
甘利経済再生相は、自身の金銭を巡る疑惑が国会での予算案の審議などを停滞させていることから、予算成立の阻害要因を取り除かなくてはならないとして、涙をにじませ、時折声をつまらせながら、辞任する考えを表明した。
一方で、議員辞職については否定し、「一からやり直す」と述べた。
甘利経済再生相が力を尽くしてきたTPP(=環太平洋経済連携協定)交渉は来月4日にニュージーランドで各国の署名式が行われるが、この署名式には「出たかった」と無念さをにじませた。