“財政出動”の必要性 安倍首相「手応え」
ヨーロッパ訪問中の安倍首相は日本時間5日午後10時から、滞在先のイギリス・ロンドンで記者会見し、財政出動の必要性について各国首脳から「手応えを感じた」と述べた。現地から矢岡亮一郎記者が中継で伝える。
安倍首相はここまでのヨーロッパ訪問で、一貫して各国首脳に訴えていることがある。G7(=主要7カ国)が一体となって、公共事業など政府の支出を増やすことで景気を上向かせようという「財政出動」を行う必要性だ。
「(財政出動の必要性に各国首脳から)手応えをしっかりと感じとることができました。それが今回の一連の首脳会談の大きな成果だと思います」-会見で安倍首相はこう強調したが、G7の協力の進め方については、ドイツが財政出動に消極姿勢を示していることから「各国の事情を反映しつつ」という言いぶりとなった。
安倍首相としては、サミットでどう意見集約をし、強いメッセージにつなげられるか、リーダーシップが問われることになる。
安倍首相は6日、ロシアのプーチン大統領との非公式の首脳会談が予定されているが、アメリカがロシアへの訪問自体に懸念を示す中、安倍首相はどういう姿勢で臨むのか。安倍首相は今回の訪問で、ウクライナ問題やシリア問題でG7一体となったメッセージを出す必要性を訴えている。
一方で、日本は北方領土問題という他国にない事情を抱えている。この点について会見で安倍首相に直接聞いた。
安倍首相「(Q日本の首相として、G7議長として、どうバランスをとり日露首脳会談に臨むのか)日本とロシアは最も可能性を秘めた2国間関係です。議長国として、G7の枠組み、結束はしっかり守っていきたい」
安倍首相はロシアとの平和条約締結などに意欲を示す一方、日本とG7議長としての違いには正面からの回答を避けた。